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#8: 王子様を想っての孤独な自慰: 濡れた下着の深夜の洗濯と、ジュリアンとの気まずい遭遇
翌朝、ルーシャは埃っぽい屋根裏部屋の硬いベッドを抜け出した。
まだ白い朝霧が立ち込める中、ルーシャは中庭へ降りた。薔薇の手入れをしていたツェー(Tseh)と出会い、昨日のことを心配されると、ルーシャは小さく微笑んだ。
「……大丈夫だよ。ジュリアン様が、薬を塗ってくれたから」
その言葉を、上のバルコニーからジュリアンが静かに見下ろしていた。視線は執拗にルーシャの細い背中に絡みついている。
「……随分といやらしい目で見てるのね、お兄様」
ジュリアが冷たく笑いながら現れ、吐き捨てるように言った。
「あれはお兄様だけのオモチャじゃないわ。独り占めは許さない」
◇
その夜、屋根裏部屋の硬いベッドの上で、ルーシャは眠れずにいた。
ジュリアンに優しく触れられた感触が、まだ肌に残っている。耳元で囁かれた低い声、薬を塗る指先の熱。思い出せば思い出すほど、身体の奥が甘く疼いた。
(ジュリアン様……)
胸がざわつく。昨日まで感じた警戒心が、ゆっくりと溶けていくのが自分でもわかった。
だがそれは、ただの好意ではなかった。
ジュリアンが無意識に放つアルファのフェロモンが、未成熟なルーシャのオメガの本能を静かに刺激し始めていた。
「……んっ……」
下腹の奥が熱くなり、息が乱れる。ルーシャはシーツを握りしめ、必死に声を殺した。しかし身体は正直で、熱く硬くなった部分が下着を押し上げ、敏感な後ろの窄まりまでじんわりと濡れ始めていた。
(だめ……また、こんな……)
否定しても、頭の中には昨日のジュリアンの手と、孤児院でアニーと重ねた熱い夜の記憶が交互に浮かんでくる。ルーシャは震える手で自分の下着の上から熱くなったものをそっと握った。
「……ぁ……っ」
指を動かすたびに甘い吐息が漏れる。腰が勝手に揺れ、濡れた後ろの部分がひくひくと収縮する。自分でもどうしようもない疼きに、ルーシャはシーツに顔を埋めた。
いつから覚えた癖なのか、ルーシャは次第に両脚を限界までピンと突っ張らせ、足の指先をギュッと丸めて今にも絶頂を迎える体勢を作っていた。
しかし、絶頂が近づいたその瞬間、ルーシャの脳裏に浮かんだのはジュリアンでもアニーでもなく——
あの日、バンビの丘で出会った金髪の青年だった。
大きな手で頭を撫でてくれた、あの優しくて眩しい笑顔。
(……僕が、本当に好きなのはあの人なのに……!)
でも、あの人は男だ。男の僕が、どうして男の人にばかりこんなに惹かれてしまうんだろう……
どうして男の人に触れられたいと願い、身体の奥をこんなに熱く疼かせて、お尻を濡らしてしまうんだろう。
(僕、本当におかしくなっちゃったのかな……。こんなの、普通じゃない。絶対におかしいよ……!)
自分は真っ当な普通の男だと信じていたかった。同性に欲情し、一人で喘いでしまう自分の異常な変化など、絶対に認めたくなかった。孤児院でのアニーとの過ちも、ジュリアンへの疼きも、あの王子様への狂おしいほどの思慕も、すべて間違いだと思いたかった。
だが、それは仕方のないことでもあった。孤児院で未成熟だった彼の身体が、本来の性である「オメガ」として完全に目覚めようとしていたのだから。
オメガの肉体は、圧倒的な強者である「アルファ」のフェロモンと引力の前には、理性の防波堤など意味をなさないほど脆い。どれほど心で否定しようとも、本能のままにアルファの熱を求め、惹かれてしまうように創られているのだ。
ルーシャの気高い魂とは裏腹に、抗えないオメガの業が、彼の身体を確実に作り変えようとしていた。
そのどうしようもない絶望と情動が胸を締め付け、ルーシャは慌てて手を止めた。
荒い息を繰り返しながら、お尻から溢れ出たオメガ特有の愛液でビチャビチャに濡れてしまった下着を脱ぎ捨て、新しいものを履き替えたルーシャは、汚れたそれを握りしめてそっと部屋を抜け出した。
裏手の薄暗い洗い場で冷たい水を流し、必死に洗っていると——
「……こんな夜更けに、何をしてるんだい?」
低く甘い声にビクリと肩を震わせて振り返ると、月明かりの下にジュリアンが立っていた。指先には火のついたタバコが挟まれている。
「驚かせてごめん。眠れなくてね……」
ジュリアンは苦笑しながらタバコを軽く掲げ、声を落とした。
「タバコのことは誰にも言わないでくれよ。母上にもジュリアにも内緒なんだ……君と私だけの秘密だ」
その親しげな言葉にルーシャの胸がドクンと鳴った。
しかし次の瞬間、ジュリアンが不思議そうに首を傾げて近づいてくる。
「それにしても、君は何を洗ってるんだい?」
視線がルーシャの手元に落ちた瞬間、ルーシャは自分が何を洗っていたのかを思い出し、顔が一瞬で真っ赤に染まった。
「っ……! なんでもありません……!」
ルーシャは濡れた下着を抱えたまま、羞恥のあまりその場から全力で逃げ出した。
裸足のまま暗い廊下をがむしゃらに走り去っていくルーシャの、その白く細い背中を、ジュリアンは紫煙の向こうから、冷たく、そして執拗に凝視し続けていた。
つづく
—
ジュリアの冷たい命令により、豪奢な姫の部屋へと連れ込まれたルーシャ。
ベッドに広げられたドレスを前に、ジュリアは冷酷な笑みを浮かべて言い放つ。
「その薄汚い格好で歩き回られるのは目障り。私が可愛くしてあげる。さあ、着なさい」
次回
#9: ジュリアによる狂気のお人形遊び: 強制フルメイクと、限界まで締め上げられるコルセット
「うん、いいわ。まるで毒リンゴみたい……美味しそう」
お楽しみに!
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