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#52: 生徒会長の暴君化と残酷な包囲網: 絶望のアニーを絡め取る、ジュリアンの甘い毒
想い人であるアニーと、転校生ジュリアの情事を目撃してしまった生徒会長のジミー。激しく引き裂かれた彼の心は荒み果て、やがてアニーへの狂気的な憎悪へと変貌していった。生徒会という組織を動かし、冷酷に開始された組織的ないじめ──。その悪意がうごめく生徒会室の扉を押し開けた瞬間、アニーの胸に冷たい予感が走った。
そこには副会長のニールが、冷酷な眼差しで立ちはだかっていた。
「……今日からお前は、出入り禁止だ」
「え……?」
アニーは自分の耳を疑った。
「出入り禁止って……どうしてですか……!? 僕、何か悪いことでも……」
「……自分の胸に聞いてみろよ」
ピシャリ、と容赦なく扉が閉められ、重い施錠の音が廊下に響いた。
胸の奥に、嫌な予感がどす黒く広がっていく。
その予感は、翌朝に最悪の形で現実のものとなった。
1時間目の終わりを知らせるチャイムが鳴り、アニーがトイレに行こうと席を立った瞬間だった。
「おい、どこ行くんだよ」
クラスメートの一人が、アニーの行く手を塞ぐように立ち塞がった。
「あ、あの……トイレに……」
「ダメだ。お前はここにいろ」
無理やり廊下へ出ようとしたアニーの肩を、誰かの手が乱暴に掴む。
「ちょっと、通してください……!」
「おっと、悪いな。手が滑った」
ドンッ、と強く肩を小突かれ、アニーは無様に床に尻餅をついた。周囲から、陰湿な嘲笑がクスクスと漏れ聞こえてくる。
2時間目、3時間目と時間が経つにつれ、状況はさらに悪化していった。
休み時間のたびに完璧な「アニー包囲網」が敷かれ、アニーは一歩も教室から出ることを許されなかった。
(どうして……こんなことを……)
冷や汗を流しながら、膀胱の圧迫感に身をよじり、アニーの頭の中で一つの残酷な答えが形作られていく。
この冷酷で統率の取れた連携。誰も逆らえない絶対的な命令を下せる存在。——背後にいるのは、間違いなく生徒会長のジミーだ。
(あの時の生徒会室……ジュリア様との姿を、見られたから……)
僕はあの時、淫らな欲望に負けてしまった。ジミーの想いは裏切ったのに、ジュリア様とは快楽に溺れた……
自分自身を激しく責め立てる罪悪感と自己嫌悪が、アニーの心を絶望の底へと引きずり込んでいく。
◇
その凄惨な光景を、廊下の少し離れた場所から、ジミーは冷ややかなアルファの目で見下ろしていた。
かつての明るさと優しさは完全に消え失せ、その瞳には冷酷で残忍な暴君の光だけが宿っていた。青ざめた顔で必死に耐え、身をよじっているアニーの姿を見ても、彼の表情は微塵も揺るがなかった。
「ふん……意外としぶといな、あいつ」
ジミーはニールを手招きすると、氷のように冷たい声でさらなる残酷な命令を下した。
「あいつに、たっぷり水を飲ませてやれ」
「はい、会長」
ニールたちは次の休み時間、青ざめてうずくまるアニーの両腕を乱暴に掴み上げた。
「な、何をするんですか……! 離して……っ!」
「喉が渇いてるだろ? ほら、たっぷり飲ませてやるよ」
アニーは半ば引きずられるように水飲み場へと連行され、蛇口の下へ無理やり顔を押し付けられた。
「んぐっ……! げほっ、やめ……っ! うぐっ……!」
勢いよく噴き出す冷たい水が喉の奥へ容赦なく流れ込み、すでに限界を迎えていた膀胱をさらに苛烈に責め立てる。口の端から零れた水が、アニーの顎を伝って制服のシャツをびしょ濡れにしていく。
「はぁ……っ、うう……もう……限界……」
必死に訴えるアニーの声など完全に無視し、ニールたちは満足げに笑いながらその場を離れた。
当然、次の休み時間になっても、周囲の強固な包囲網は決して緩むことはなかった。
ジミーは遠くからその様子をじっと見つめ続け、唇の端に歪んだ笑みを浮かべていた。
その瞳には、もはやかつての純粋な恋心の欠片も残っていなかった。
◇
学園は、完全にジミーの恐怖政治に支配されていた。
生徒会メンバーだけでなく、一般生徒たちまでもがジミーの絶対的な権力を恐れ、誰もアニーを助けようとはしなかった。
「お願い、トイレ……行かせて……」
小さな声で懇願しても、誰も耳を貸さない。それどころか、青ざめた顔で股間を必死に押さえ、身をよじって耐えるアニーの姿を見て、優越感に浸るようにクスクスと嘲笑を漏らす者まで現れていた。
その輪の外で、ルーシャは血の滲むほど唇を強く噛み締め、拳を小さく震わせていた。
(アニー……!)
親友のあまりにも痛ましく、惨めな姿に胸が張り裂けそうだった。今すぐにでも駆け寄って、あの包囲網を突き破り、アニーを助け出してやりたい衝動に駆られる。
しかし、ここで声をかけてしまえば、「自分たちが孤児院の隔離施設から来た知り合いであること」が周囲に完全に露見してしまう。
『……学園内ではアニーとは赤の他人として振る舞ってほしい。アニーは孤児院出身だった過去を隠して、今はようやく平穏に暮らしているんだ』
メイフィールド氏と交わしたあの約束が、重い鎖のようにルーシャの足をその場に縫い止めていた。
ルーシャは拳を握りしめたまま、ただ大粒の涙を瞳に浮かべ、無力に立ち尽くすことしかできなかった。
その瞳には、親友への深い哀れみと、自分自身への激しい無力感が、痛いほどに滲んでいた。
◇
そして、限界は訪れた。
午後の廊下。多くの生徒たちが集まり、嘲笑の輪の中心にいたアニーの肉体が、ついに悲鳴を上げた。
「もう……無理……////」
アニーが顔を真っ青にして小さく首を振った瞬間——。
ズボンの股間からじわっと濃い染みが広がり、耐えきれなくなった温かい液体が太ももを伝って床へと滴り落ちた。
チョロチョロ……と、惨めな水音が廊下に響く。
一瞬の静寂の後、廊下は爆発的な嘲笑と蔑みの渦に飲み込まれた。
全校生徒の面前で晒された、最低最悪の失態。
言葉にならないほどの絶望と屈辱に襲われ、アニーは大粒の涙をボロボロとこぼしながら、その場に力なく崩れ落ちた。
汚れた床に手をつき、顔を両手で覆って激しく嗚咽を漏らす。
もう、どこにも救いはない。完全に、壊れてしまった——。
——と、その時だった。
「——そこをどきなさい。下品な連中だ」
騒然とする生徒たちを冷徹な眼差しで退け、悠然と歩み出てきたのは黒い外套を羽織ったジュリアンだった。
周囲の嘲笑がピタリと止まる。
ジュリアンは床にへたり込み、涙と汚物にまみれたアニーの前に静かにしゃがみ込むと、その細い腕をグイッと力強く引き上げた。
「立て。……行くぞ」
圧倒的なアルファのフェロモンと威圧感に、周囲の生徒たちは息を呑み、思わず道を空けた。
ジュリアンは泣きじゃくるアニーを半ば抱きかかえるようにして、そのまま人々の視線から連れ去った。特別寮にある自身の私室へと向かう背中は、まるで獲物を攫う獣のように冷たく、静かだった。
◇
ジュリアンの私室にある豪奢なお風呂場 は、むせ返るような甘い薔薇の香りに満たされていた。
湯船 の中で、アニーはまだ羞恥と絶望に震え、嗚咽を漏らし続けていた。
そんなアニーの背後から、ジュリアンは優しく抱き込むように身体を寄せ、たっぷりの泡を纏った素手で、ねっとりと、必要以上に丁寧に洗い上げていく。
「かわいそうに……みんなで寄ってたかって、こんな酷いことをするなんて」
ジュリアンの低く甘い声が、耳元に熱く落ちてくる。
泡に包まれた大きな手が、アニーの白い首筋から鎖骨、胸元、そして柔らかな腹部へとゆっくりと滑り降りる。指先が敏感な部分を意図的に擦るたび、アニーの身体がびくんと跳ねた。
「あ……自分で、洗えますから……っ」
「いいんだ。お前はただ、俺に身を任せていればいい」
ジュリアンの声は優しいのに、どこか甘く危険な響きを帯びていた。
その手は容赦なく下へ伸び、アニーの股間を優しく、しかし執拗に撫で回し始める。
「あっ……んっ……/////」
先ほどまでの極限の恐怖と屈辱が嘘のように、アニーの身体はアルファの濃厚なフェロモンと卓越した愛撫に反応 ♂し、熱く硬く疼き始めた。
「……おや。こんなに元気じゃないか」
「だ、だめっ……! 恥ずかしい……見ないで……っ//////」
顔を真っ赤にして両手で顔を覆うアニーを、ジュリアンは背後からさらに強く抱きしめ、耳元で愉しげに囁いた。
「かわいいな、アニー。……もっと声を出していいんだぞ」
洗い終わった後、ジュリアンは自分の少し大きめの制服をアニーに着せ、ベッドに座らせた。
ダボダボの制服に包まれ、ジュリアンの濃厚な香りに全身を浸されたアニーは、もう抵抗する気力すら失っていた。
ジュリアンはアニーの前にひざまずき、涙で濡れた頰を大きな手で優しく包み込んだ。
琥珀色の瞳が、甘く、そして逃げ場のない檻のようにアニーを捕らえる。
「……安心しろ、アニー。これからは俺が、お前を守ってやるからな」
絶望のどん底で与えられた、最も恐ろしかったはずのアルファ・ジュリアンの——偽りの優しさと救済。
アニーの心は、その甘く危険な毒に、完全に溶かされ、囚われていくしかなかった。
つづく
—
「アニーを許せなかったの?」ルーシャの柔らかく、温かな包容が、嫉妬と罪悪感でボロボロになったジミーの心を解きほぐしていく——
「……ああ。僕がやったんだ。僕が弱くて、惨めで……あんな酷いことをしてしまった」
次回
#53: 暴君の懺悔と奇妙な絆: 傷だらけの生徒会長と、ルーシャの温かな眼差し
「話してくれて、ありがとう。ジミー」
お楽しみに!
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