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#87: 冷淡な拒絶と最悪の目撃: 寂しさに彷徨うルーシャと、夜の部屋へ消えるレオノラとアルバート
禁断の男同士のSEXに溺れ、レオノラとの関係がすでに上習化していたルーシャ。一度その味を占めてからは二人の関係がなかば上習化しており、ルーシャは自ら進んで彼との関係を求めるようになっていた。
——そして今日もまた……
放課後の静まり返った廊下で、ルーシャは柱の陰からレオノラの姿を必死に探していた。
「レオノラ!」
昇降口に向かう背中を見つけ、小走りで駆け寄る。しかし振り返ったレオノラの表情は、ひどく冷たかった。
「……何?」
「あの、今日……この後、空いてる? もしよかったら一緒に——」
すがるようなルーシャの視線を、レオノラは冷ややかに遮った。
「悪いけど、今日は用事があるから」
「そっか……じゃあ、明日なら……?」
「明日も無理。しばらく忙しいんだ。じゃあね」
素っ気ない言葉を残し、レオノラはルーシャをその場に置き去りにして歩み去った。
その背中を見送りながら、ルーシャの胸に嫌なざわめきが広がった。
翌日も、同じだった。
休み時間に声をかけようとすると、レオノラは絶妙なタイミングで席を立ち、放課後にはルーシャの目を避けるようにわざわざ裏口から帰っていった。
(……避けられてる?)
露骨な拒絶の連続に、ルーシャの胸の奥がじわじわと惨めさと焦燥で染まっていく。
◇
その夜、ルーシャは薄暗い四畳半のアパートのベッドで、一人膝を抱えていた。
ストーブの赤い火が揺れる中、部屋の静けさが痛いほど胸に響く。寂しさと、一度知ってしまった快楽の記憶が、毒のように全身に回っていた。
「……っ、あ……」
シーツの冷たい感触に身を捩りながら、ルーシャは震える指を自分の熱を持ったそこに這わせた。
瞼の裏に浮かぶのは、レオノラの熱い体温、低い吐息、そして自分を強く組み敷いた手の感触。
ぎこちなく擦り上げながら、甘い幻影に縋るように浅い喘ぎを漏らす。しかし、指先から伝わるのはどうしようもない虚しさだけだった。
「……はぁっ……/////」
「……はぁっ……/////」
「うっ…///」
やがて小さな絶頂を迎え、荒い息を吐き出しながらベッドに突っ伏した瞬間、どっと押し寄せてきたのは激しい自己嫌悪と孤独だった。
「……違う……」
こんなことでは、何も満たされない。
ぽっかりと空いた心の穴は、ただ冷たい風を吹き込むばかりだ。
ルーシャは弾かれたように起き上がり、乱れた衣服を整えると、上着を掴んで夜の街へと飛び出した。
向かった先は、あの、小さなレストランだった。
冷たい風を切り、息を切らして辿り着いたその場所——。
「……あ。」
無情にも、店の看板は灯りが落ち、ガラス窓の向こうは完全な暗闇に沈んでいた。
すでに閉店時間を過ぎていたのだ。
ルーシャはガラスに額を押し当て、暗い店内をじっと見つめた。
(……アルバートさん。。。)
胸の奥が激しく締め付けられる。
どうしてもあの温かい笑顔が見たかった。穏やかな声が聞きたかった。
ルーシャは踵を返し、アルバートのアパートへ向けて歩き出した。しかし交差点で足が止まった。
(……今、僕が行って、どうなるんだ?)
他の男に抱かれ、欲求不満に駆られて夜の街を彷徨うような、こんな汚れた自分が、あの優しいおじ様に会う資格などあるのだろうか。
——そうだ。もう、僕を満たしてくれるのは彼じゃない。
気づけばルーシャは方向を変え、レオノラのアパートへと足を向けていた。重い足取りで辿り着いたエントランスの前で、ルーシャは息を呑んで凍りついた。
・
・
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街灯の薄暗い光の下、レオノラのアパートの入り口に、二つの人影があった。
一人は間違いなくレオノラ。そしてもう一人は、大柄で逞しい体躯の男——。ルーシャの心臓が、凍りついたように止まった。
楽しげに笑うレオノラの手を、その男が甘く優しく握りしめている。
街灯に照らされた横顔を見た瞬間、ルーシャの頭の中で何かが音を立てて砕け散った。
その男は——他でもない、アルバートだった……
親しげに指を絡め合い、二人はそのままレオノラのアパートの奥へと消えていく。パタン、というドアの閉まる音が、夜の通りに冷たく響いた。
「……え?」
ルーシャの口から、乾いた声が漏れた。
自分の身体を満たしていた男と、自分の心を支えていた唯一の男。その二人が、手を繋いで、夜の部屋へ消えていった。
雪が静かに舞い落ちる中、ルーシャは崩れ落ちそうになる膝を必死に支えながら、ただ暗いドアを呆然と見つめ続けることしかできなかった。
行き場を失った熱も、寂しさも、すべてが冷たい絶望の底へと叩き落とされていた。
つづく
—
ニューヨークにいるはずのジミーが突然、ルーシャの部屋へとやってくる。強烈な孤独を抱えていたルーシャは、考えるよりも先にその胸へと飛び込む。
「なんでだよ、ルーシャ。これくらい……っ」
次回
#88: 突然の来訪と束の間の安らぎ: 孤独を埋め合う二人と、夕暮れに響く笑い声
「ダメ。……それ以上しつこくしたら、ジミーのこと嫌いになる」
お楽しみに!
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