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指先の熱-5 side千尋

それから、丁度1時間くらいが経った頃だろうか。 爪のない指先の包帯は剥がれ落ちてじんわりと血が滲み、白いシーツには点々と赤い染みが付いていた。 それだけじゃない。もう身体中何処もかしこも傷や痣だらけで、少し動くだけでも息が上がってしまう。 「これで気持ちいいだなんて、可愛いね」 「あ"ぁ"ッ、痛い、痛い痛い痛いッ……やだっ、嫌だッ、痛い、からッ!!」 フィストがしたいと言って、拳を飲み込まされ広げられた肛門が空気混じりの音を立ててひくひくと動く。 普通に生活して居たらありえない量の異物感と腸壁をかき混ぜるように動く指が、気持ち悪くてたまらない。 「俺、フィストって初めてやったんだけど凄いね。お腹の中をぐちゃぐちゃにかき混ぜてるみたい」 「ッ、……」 腸の中で手のひらをゆっくりと広げたり閉じたりされると、自然と声が漏れて不規則な短い呼吸をするしか無くなってしまう。 それにわざと拳を握って肛門から引きずり出して、また入れたりするものだからもう締まりも何もなくなって来てしまっている。 それでもようやくフィストが終わって肛門から異物感が消えたと思った瞬間、カシャカシャと音が鳴る。 殆ど涙で歪んだ視界で振り返ると、賢治さんがスマートフォンを片手に小さく笑っていた。 「ほら、千尋見てよ。千尋のお尻こんなになってるよ」 「……ふっ、……ぅっ」 見せられたのは、ぽっかりと口を開けた肛門に、何度も勢いよく鞭を振るわれた所為で皮膚がズタズタに裂けた尻の写真。 生々しい傷跡からは鮮血が滲み出ていて、写真を見て意識した瞬間から何故だか酷く痛みを帯びてくる。 「ごめっ、なさ……ぇッ、うぇ、」 「ほら、がんばって。あと一回中に出したら終わってあげるから」 口の中に指をねじ込まれて喉の奥の方を弄られると、胃の内容物がせり上がってくる感覚に襲われる。 気持ち悪い、なんて考える暇もなくばたばたと涎や涙が溢れて止まらない。 「んッ、ぅ……」 もう力の入らない肛門に性器を突き立てられると意図も簡単に飲み込んでしまった。 腰を持ち上げられて仰向けのまま何度も何度もさすられるせいで、傷付いた肛門がズキズキと痛む。 辛うじて勃起している自分の性器が腹の上にぺちぺちと当たる感覚さえも、敏感になってしまった体には怖くて怖くてたまらない。 「早くだしてっ、……もっ、お尻いだいッ、からッ、お願い、お願いしますッ、……、けんじ、さ、」 「それは俺が決める事であって、千尋が指図する事じゃないんだけどなぁ」 「あ"ぁ"ッ!!」 そう言って両手を力任せに握られると、酷い痛みが全身を駆け巡って思わず声をあげた。 爪のない……言うなれば剥き出し状態の指先からは、瘡蓋が剥がれ落ちて真っ赤な血がぽたぽたと伝い落ちていく。 痛い、痛くてたまらない。 もういやだ、何処もかしこもしんどくてたまらない。 「こら、漏らさない。おしっこはトイレでしなくちゃいけないって習わなかったのかい?」 そう言われて殆ど力の入らない下半身を見ると、何故かそそり立った自分の性器からびしゃびしゃと尿が漏れ出していた。 勃起しているからか、間隔を置いて不規則に飛び出してくる液体が接合した部分を濡らして、より一層汚らしい水音が部屋に響き渡る。 「それとも、お漏らしするくらい限界?」 「っ……、ごめ、なさい……ごめんなざい"、」 首を強く絞められて、みぞおちのあたりを思い切り殴られると体が大きく痙攣した。 頭が真っ白になって劈くような痛みが体を蝕んで思考を可笑しくしていく。 「う"っ…、ゲホッ、ぐッ、……」 「ハッ……っ、いいね……。首を締めるとゆるゆるだったケツが締まって、イけそうだ」 空気を吸えない体がびくびくと動いて視界が暗くなり始めた瞬間、顔の辺りに大きな衝撃。 その直後生暖かい液体が鼻のあたりをゆっくりと伝っていく感覚がして、意識が遠退いていった。
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