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第15話 あなたの周りの大事件 2
夏の扉を叩くのは 15
ー あなたの周りの大事件 2 ー
「 紺野さんと言いましたね。
たしかに先日職員室の窓のガラスが何者かに切られた、という事実はありますが、盗難されたものは不明、というより我々の方では盗難届けを出しているという事実はないです。
警察としても不法侵入くらいでしか今のところは対応してないと思います。それ以上のことを色々言われてもお答えすることはできかねます 」
「 それじゃぁ、生徒と教師の不純性行為と盗撮はどうですか?」
「 今のところ教頭である私のところにもその様な事実は上がってきていないし、事件が校内で起きているという確認もしていません。あなた方の所に入ったその事柄は無根であるとしかこちらは今のところお答えできませんね 」
「 今のところは!ですよね。私たちの方で色々生徒さんたちに聞いて調べてみるということもできますが、学校としては調べる気もないということですか?」
「 私の一存ではなんとも言えない。校長は出張していますし、検討してからと言うしかお答えできません。ただし、生徒たちに聞いて回るのは遠慮願いたい。事実かどうかもわからないことで生徒に要らぬ混乱や心配をかけたくないし、それが虚偽の通報だったらあなた方の責任も追求しますよ 」
全くこういうマスコミの末端はなんともやりにくいし生徒にも刺激が強すぎる。今日すぐに対処しないと大変になるな、と考えた俺はとにかく今日は帰ってくれと丁重にこの四人を校門の外まで連れ出すと、朝の一時限目は自習に決め緊急職員会議を開くことにした。
短いやり取りで校長の意向を聞くと俺のやり方でやって構わないと言う返事が来た。出世欲のない校長でこういう時には本当に助かるよ。
生徒たちが教室に入りそれぞれ自習の指示を出した教員が会議室に集まってくる。
三枝先生も何事かと真剣な面持ちで俺の方を見つめている。やっぱり綺麗な面差しだなと暫し眼福と憩える俺だった。いや、にやけてる場合じゃない。
担当教員と補助教員にも、それらしい噂程度のものから事実さもしれないという情報の確認と生徒への対応、もう一回よくクラスの状態や、おかしな行為をする生徒はいないかなど学校の様子を把握することをお願いする。一部のマスコミが嗅ぎつけて教員、生徒たちや父兄にまで接触するかもしれないと忠告すると、
事の重大さが伝わったのか皆一様に硬い表情で、慌ただしく二時限目の授業に散っていった。
授業を外した林先生をもう一回呼び止めて、面談室に入る。
どうしても彼の盗られたかもしれないデーターのことを確かめなきゃならない。
狭い部屋に向かい合うと、膝詰で間をおかずに彼に尋ねる。
「 貴方の盗まれたデーターは生徒に関係あるもんだったの?
例えば、、、盗撮とか 」
真っ青になる林に、俺は確信した。こいつやってるな、と。
「 ここで話さないと、恐喝されているという話を警察と一緒に確認しなきゃならないよ 」
「 と、盗撮じゃ、ないんです……
その、撮影してくれって頼まれて 」
「 誰に…」
「 が、学生に……」
「 学生に盗撮を頼まれた?」
「 ち、違います……その子のやってるところを撮ってくれって……」
「 ?何を……まさか 」
「 自慰してるところ、とか……後、は、私のを…………」
「 名前は、相手の名前は 」
「 それだけは、勘弁してください……それだけは、彼はまだ……」
ふざけんな!と怒鳴りつけたい気持ちを強引に押さえ込む。
「 生徒の、相手の名前は?なんだ?何年なんだ? 」
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