目次

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第1話 わがまま
2
第2話 菓子パンとカップ麺
2
第3話 事件 五月初め
2
第4話 諍い 五月初め
3
第5話 何故 五月初め
2
第6話 免許は、ない
4
第7話 認知と蟹
第8話 エスっ気
第9話 恐喝?
5
第10話 獣
2
第11話 もっと獣
9
第12話 朝のファミレス
3
第13話 厄介な日
3
第14話 貴方の周りの大事件 1
7
第15話 あなたの周りの大事件 2
4
第16話 あなたの周りの大事件 3
2
第17話 あなたの周りの大事件4
第18話 あなたの周りの大事件 5
1
第19話 あなたの周りの大事件 6
5
第20話 あなたの周りの大事件7
4
第21話 モノクローム
2
第22話 おにぎり
3
第23話 痛い、ピエロ
3
第24話 バカな、ピエロ
4
第25話 我慢の連続だ
2
第26話 三枝先生 に キュン
3
第27話 おい。朝からオヤジの蒸れた
3
第28話 良いこと悪いことは表裏一体にやってくる
第29話 男のメンツやらプライドやら
第30話 腹の探り合い
2
第31話 アンバランスなその、存在
2
第32話 不甲斐ない
2
第33話 不甲斐なさプラス、奢られる缶コーヒー
1
第34話 ハッタリ
5
第35話 腐れ縁
1
第36話 今さら、嫉妬のわけ
3
第37話 憤り
1
第38話 憤り、この身体に (18禁)
2
第39話 嫉妬とアリバイ
5
第40話 ー 後悔は先にしとけばー
5
第41話 パールベージュのミニ
1
第42話 田上校長
1
第43話 欠席
3
第44話 胸騒ぎ
1
第45話 ネクタイ
5
第46話 傷害 1
1
第47話 傷害 2
3
第48話 傷害 3
5
第49話 傷害 4 心の傷
5
第50話 傷害 5 心の傷
2

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レビュー

大人の男であること。親であること。
正直、最終話を読むまでは、すれ違いの話なのかな、と思っていて、最後は幸せになって「良かったね~」と思えるんじゃないかと、なんとなく予測してた部分もあり、わりと気楽に読んでいた。それが見事に裏切られた。 そこで慌てて最初から読み返すと、キャラの言動にいちいち納得できて、深いテーマを感じ取れた気がした。 菅山は仕事が出来て外見も良く、経済力も備え社会的にも認められている押し出しの強い大人の男で、渋カッコいい。いわゆる「ちょい悪オヤジ」。 反して高光は、外見も含めて子供のように奔放。幼さすら感じさせる言動は庇護欲を刺激する。 しかし実のところ、ちょい悪オヤジの中には、独りよがりで我が儘な少年の心が未だ残っており、高光の中には誰の言葉も跳ね返す強さで「父親の意識」が存在している。 菅山は自由な独り者であり、高光を縛る「父親の意識」を理解できない。頭では分かっても感覚を掴めない。 けれど今後それを埋めて行く作業をしていかなければ、共に生きていくことは出来ない。 そういう結論なのでは、と思った。 「ロックの日に」での菅山は、仕事は出来るけどちょっと情けないおっさんである。でもそんな人だからこそ、菅山の周りには人が集まる。 反して高光は強かった。強いからこそ一人で立ち続けた。 今回の事件や出会いは、高光にとって得がたい機会だったのだろう。父親であることだけが存在意義であった高光にとって、父親ではない自分にも価値があると思えることが、いかに嬉しいか。 「あなたから貰ったものはここにある」 それがこのセリフに集約されているように思う。 けれど、この年まで知らなかった孤独を味わう菅山は哀れにも思える。 人の幸福は、定量なのだと聞いたことがある。 大きな幸福は重い絶望を呼び、穏やかな幸福感はしんしんとした孤独を呼ぶのかも知れない。