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第39話 嫉妬とアリバイ

夏の扉を叩くのは 39 ー 嫉妬とアリバイ ー なんて顔をしやがるんだ…… 裸の肩に手をかけて、濡れた眦を覗き込むようにすると、 俺を見る高光の眼はきつい眼差しに変わった。 「 どこまで聞いたんだ? 警察で 」 問いに問いを返す。卑怯だなとは思いながら全てを今彼に話すわけにはいかないことも承知している。 「 平田が林さんって先生を脅していたんだ。それは俺も知ってた。止めようとしたけど、後はあんたにも話したよな 」 「 あぁ、俺もその話はあの榛の木って言う刑事にはしたよ で、お前は平田がなんの理由で林を脅かしてたは知らないんだろ 」 「 うん、そこまでは平田からは聞いてない。 ただ、スマフォのカメラがどうのって平田が林さんに言ってたのを聞いたから、なんかで盗み撮りしてたのかな、とは考えたよ 」 「 それで?」 「 それでさ、学校で盗み撮りするっていったら相手は生徒かな?って 」 「 そうか……それは警察の方から話があったの? 」 「 うん、なんとなくだけど、学校で盗まれたデータの事は聞かれたよ。心当たりはないのかって…… まるで俺が職員室に忍び込んで盗んだみたいに言われた 」 刑事はあの教員室への侵入事件で林が隠したあの盗まれたデータと今度の恐喝とをしっかりと関連付けてるんだな。 「 でもその日、俺にはアリバイが有るから 」 「 アリバイ?」 「 うん、その日の夜中じゅう朝まで安堂さんと一緒だった 」 「 え?あの人と、なんで 」 俺は安堂さんを見る高光の柔らかな眼差しを思い出してわけもなく疑心暗鬼に襲われる。 「 うん俺が給料前借するのを気にしてて、たまに飯食わせてくれてサウナとか連れてってくれるんだよ。 あの日はちょうど飯食った後サウナに一晩いたから 」 「 サウナに男と一晩いたのか?」 俺の言葉がきつくなったのをキョトンとした顔をして見つめる高光。 しばらくしてからあっ!と声を上げる。

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