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第20話 あなたの周りの大事件7
夏の扉を叩くのは 20
ー あなたの周りの大事件 7 ー
小ぶりの丼に山盛りの白飯が目の前に置かれると、俺と高光はせっせと食べることに集中する。
ここは肉もいけるが更に自家製のキムチが絶品で、白飯にはそれがおまけで付いてくる。
「 これ、サービス?」
口の中に目一杯飯とキムチを詰め込んだ高光が目を白黒させている。
「 お前、息子よりも子どもだな」
と思わず、口の端についた飯粒を取って俺は自分の口に運んだ。
やったことのない行為、子どものいないこれには不釣り合いなその行為。
高光もぼやっと俺の口元を見ている。
「 なんか、まずかったか?」
「 い、いや 」
と言いながら俺の焼いた肉に箸を伸ばしながら呟いた。
「 あんた、誘ってんの?」
「 は?な、、なに……」
二人して気まずくなったテーブルは注文通り運ばれてくる肉をどんどん焼く俺と、下を向きながらも的確に肉をさらう高光。
トドメに頼んだ冷麺はそんなおかしな雰囲気を冷たく辛いスープでキュッと引き締めた。
「 俺、給料入ったから 」
と尻のポケットに手を入れる高光を目で制し会計を済ますと、高光はやるせなさそうな、不安そうな顔をする。
「 俺の趣味だ 」
とけつを叩くと、ギョッとして俺の顔を見上げるから、こっちもそれを見てギョッとした。
なんかギクシャクしてるな……
「 話 」
「 ああ 、そこに公園があるからそこでいいか?」
と通りの向こう側のマンションの脇の公園に入る。
「 それで、光は?」
本当の親かもしれないが保護者ではない高光に先に告げるわけにもいかない。
「 大丈夫だ何にもない。上級生と一緒の所を見たから少し虐められてるのかと気になったから、聞いてみただけだ 」
「 …… 」
不満そうな顔で何か言おうとした高光を遮って、
「 記者が何か騒がしてるようだが、悪戯の投書があったとかそんなことだろ、あいつらの事と光君の事は関係ないから心配……」
「 心配する!」
「 なんで 」
「 俺じゃダメなのか?俺にはなにも伝えられないのか? 」
頷くわけにもいかずに俺は黙って聞くしかなかった。
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