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第27話 おい。朝からオヤジの蒸れた
ー おい。朝からオヤジの蒸れた匂いは匂いは ー
三枝先生と共に校門に急ぐと、学校には来て欲しくないナンバーワンの存在が遠目にも見える。
制服の警官と如何にも刑事だとわかる態度の男二人がうちの関係者と揉めていた。
もっとまずいことには、そこから5メーターほど離れた校門の外には
来て欲しくないナンバーツーのどっかの撮影隊がカメラを構えていたことだ。
怒鳴っちゃいけない、手を出してはいけない、冷静に。
3つの事を唱えると口に出ていたのか三枝先生が可笑しそうに笑う。
「 菅山さんでもそんな事を唱えるんですね 」
「 え?菅山さん?」
「 すみません、教頭先生でも 」
はにかんだように柔らかに微笑む三枝先生の顔を拝んだだけで俺は300%ガッツが入った。
そのまま塊に近づくと気づいた村田先生がホッとした様にこちらを向いた。
「 教頭先生! 」
そこら辺にいたオヤジどもが一切に俺の方を振り返る。
「 何事です?」
俺はガードマンに外の報道の方を指差して、牽制しといてと促した。
「 あそこにいるのは報道関係者だと思います。こんなところを撮影されたらお互いに困るのではないですか?」
と言うと警察側も二言三言言葉を交わし、制服警官は外の如何にもな連中の方に歩いて行った。
そして、刑事の一人が尋ねる声はやけに野太い。
「 あなた、学校の責任者ですか?」
「 校長は出張中ですから、教頭のわたしが代理です 」
と応えると、
「 実は……」
と喋り出すので、兎に角カメラの回らないところへと職員用の出入り口まで彼らを連れて行った。
終始俯く林君と明らかに憤っている村田先生。
三枝先生が先に出入り口横の応接室の扉を開けて待機している。
外履のまま入れるの10畳ほどの部屋は、
スーツ姿のオヤジもむさ苦しく、
初夏の朝から強烈な日差しにやられた汗の篭った匂いでむせかえった。
「 今捜査してる案件でこちらにお勤めの林英二さんの名前が出まして、確認のために 」
「 捜査は、なんの捜査ですか?」
「 それは……申し上げられないが、兎に角、林さんにお話を聞きたいということです 」
朝早くからハヤシの話を聞きたい?
俺には悪い予感しかないよ……
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