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第24話 バカな、ピエロ
夏の扉を叩くのは 24
ー バカな、ピエロ ー
この二人は宇宙人か!
何度、高校生に言われるままお金を直接渡してはならぬ、と伝えても全く理解しない高光と、何が悪いの?と言わんばかりの藤間。
人から金を理由もなく沢山貰うのはおかしいと言うと、でも父親だもの、と返して来る。
「 だいたい、高光は給料貰ったって言ってなかったか?なんだ前借りって 」
「 うん、出たけど残り3万くらいしかないから、光にあげるのに足りないじゃん 」
俺の常識はおかしいのか?
高光を見ると何やら掌に一生懸命何かを書いてる。覗き込むと、書いてあったのは引き算の筆算。
「 何してる?まじめに聞けよ 」
と少し怒ると、
「 え?来月の給料からいくら前借りできるかと思って 」
と俺に掌を差し出す素直さになんかウズウズしながら仕方なしに見てやると、
「 20万の手取りから、5万ってここの家賃か?」
頷く高光を見ながら、
「 残りからなんだこの引いた5万は?」
と尋ねると、
「 あ、それ前に前借りした分 」
「 なんだって?そうしたら、10万から光熱費とお前の生活費は 」
「 うん、だから、光には7万は渡せるかな 」
「 バカ!馬鹿とは思ってたけどお前は本当にバカだ!
おい、藤間も親にこの事を言ってないなら俺から言うからな 」
大人気全くなく俺がムキになると、
「 やめてよ!」
二人同時に叫びやがった。全く調子が狂うなこの二人には……
「 大体藤間は何に使うんだ?10万以上も毎月貰ってるのか?」
「 色々いるんだよ……光もさぁ、家に帰っても親は居ないし 」
高光の言葉を遮るように藤間に向かう。
「 藤間、お金の使い道を話しなさい。今、ここで 」
何か得体の知れない事が繋がっている予感がした。ただ林教員に猥褻動画を撮らせていただけではないな。
これは。
目の前の可愛い姿の生徒が空恐ろしく見えてきた。
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