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第66話 キスをさせない (18禁)
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ー キスをさせない ー (18禁)
強張った背中を舌で辿ると、僅かに沿った背が男のしっかりとした椎を尖らせる。
頚椎にあてた掌を上をから一気に尾骶骨まで下ろす。
二つの固めの山の合間を指で開くとその下には男にしては柔らかく縮れた叢が覗く。
どうしてもキスをさせない上の半身を置いて、俺は下半身の愛撫に執着する。
高光の労役で美しく締まった胴に腕を回し発汗しツプツプト浮く汗を舌ですすくってやると日焼けしていない冷めた尻たぶのその肌は熱と赤みを帯びる。
唇を噛み締めているだろう表情を脳裏に映しながら下の口に舌を差し挿れると内腿に痙攣が走ったのがわかった。
「 気持ちいいなら、声を出せよ 」
何度か重ねた言葉もシーツの上で緩く振られる頭に拒否される。
頑なになった心と蕩け出す身体。
恐らくこのバラバラに離れた心と身体の在りようが高光の一番嫌がるシチュエーションだとわかっていても、俺が今高光を引き留めたい気持ちには歯止めにならない。
鼻と舌を使い思う存分窄められた孔を穿り、節だった指を指間みずかきに緩んだ肉の縁が触るまで挿れる。
3本の指が許容され内道が不随意に騒めきたち始めると、やがて呻き声を上げながら高光が潮を噴いたのがわかった。
シーツに広がる濡れたシミ。苦しげに曲げられた膝を片方抱えて半身を起こさせると、逝って垂れた下袋と竿が露わになる。
その叢から覗く塊を片手で揉み上げ俺は吐精し少し綻んだ入り口に己の雄を擦り上げた。
高光が挿入らない雄に焦れて尻を欲しげに揺らすまで俺は濡れた口を陰茎の先で苛め続ける。
欲しがれ、俺を欲しがれ
お前の中を埋めてやるのは俺だけだ。
「 あ、あぁ、ダメだ、、来て……き、て 」
呟かれた小さな言葉が耳に届く。
片膝を上げたまま、押し込むたびに上げる内道の濡れる音と噎せる愛しい奴のくぐもった声に掴んだ肉体を抉る腰は止まらなかった。
押さえつけた腹に性器から蜜を滴り落ちる、何度落ちても、内臓の奥まで猛ったそれを押し込み、焦れるほどゆっくりと吸い付く後口の縁まで滑り出し、またそれを深く掘るそれをしつこいほどに繰り返す。
汗ばんだ指で掴んだ胴が深く押し込んだ雄でグラインドする度に痙攣する。
立てていられないほど力の入らなくなった筋質の太腿の稜線が泡だった何かを垂らしながら鈍角に開いていく。
男同士の深い結合の坑道の口に指を這わせ更に親指を無理に開けた隙間からねじ込むと、低く掠れた悲鳴が聞こえた。
キスもさせない半身は更に捨て置いて、
俺は素直に従う下半身を自由に愛することにのめり込んだ。
なぜキスさせない?なぜ厚いその舌を吸わせない?
最後の最後までそのことに触れることのできない性交は明け方の月が残る時間まで何回も何回も繰り返される。
そして弛緩した身体から登る性の臭気が収まる頃、うたた寝した俺の隣から高光が消えたことを知った。
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