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第79話 凌 18禁
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ー 凌 ー 18禁
焦れた俺は新宿御苑の辺りで大通りを外れると、視界に入ったラブホテルの地下駐車場に車を滑り込ませた。
ホールで選ぶ余裕もなく適当な部屋の鍵を出すとそのままだらしなく緩んだジャージを腰パンの位置までなんとか上げた高光を抱いてエレベーターに乗る。
ねっとりと唇を奪うと濡れて涙の膜を張った瞳が黒く瞬く。
お前は、綺麗だ……
と耳元で伝えると一瞬震えた身体から甘酸っぱい芳香が立ち昇った。男なのにリンパ腺の全てから漏れ出す様な甘苦しいその匂いに俺は今日は止められない何かを抱え込む。
好きだと愛してると伝えながら、全てをまじ合わせるセックスは遠い昔の記憶に伏せてあったはず。その厚く伏せていた思いを呼んだこの男を俺は離せるわけがない。
裸になった身体で冷たいシーツに二人で倒れこむと、暫くじっと強く確かめるように抱き合った。
肌を密着させ流れる汗を滑らせて、相手の匂いをひたすらお互いの身体にマーキングするその性の行為の愛おしさに目眩がしそうになる。
全ての凹凸、感触をおぼえこます様に辿る指の腹と唇に嘘は入り込む余地もない。
好きだと耳元で囁くと、撫でた肌は震えて直ぐに答えを返してくる。
愛してると告げれば吐息で俺もと乳首を甘噛みしながら舐め回す。
一部の隙もない様に心にも身体にも不安を入れる隙間のない様更に強く抱きしめた後、
俺は高光の太腿を開いて持ち上げ
淡く色がつく蕾に口を寄せた。
皺をしゃぶり舌を差し込みとろける様に柔らかくなるまで丹念にほぐす間、
愛してると何度も唇から与えると、
喘ぎを上げる声が高低を奏でる。
「 ゃ、
そんなとこ まで、ダメだ、
あ、ぁ、イィ
はぁ、……」
途切れ途切れに言葉は意味をなさなくなり、
昂ぶった竿を袋ごと掌で覆うように揉み込むと、
速い息に被せるように小さな孔からトロトロと流れ出すそれを指ですくってはまたそこに塗りこめると、畝る様な腸の煽動が俺のものを欲しがって挿し入れた指を締め付ける。
自分の盛って痛いほど天を突いたそれを更にしごき周りの皮を柔軟に伸ばしてから、目当ての秘所に当てがった。
「 ぁ……ぁ、ぁ、はぁ 」
欲しがるように吸い付く浅い位置の坑道を存分に擦り上げて、焦れた身体に更に深い奥に塊を欲しがらせると、堪らず上げる嬌声は高く唸り、
獣を圧して征服してる高揚に襲われる。
こいつには最初からそんな俺の隠された加虐な気持ちを煽られた。
引き込まれる欲のままに入れて出すだけの動作がこんなに溢れる想いを繋げていくとは、
これでもかと太い芯を腹の奥深くたがい、抱えた尻たぶと陰毛をしとどに浸す溢れる精液がドロドロに溶け合えば違う肉体だという認識は一切霧散する。
捉えて囚われて転がる様に絶頂の狭間に落ちながら、それでも決して離すまいと強く縛り付ける腕には無数の爪痕が残った。
深く達した後に残るものを逃さぬようにシーツと共に包み込む。
強く結んだ腕が解け、荒い吐息が落ち着く頃、
俺は高光を凌と呼んだ。
「 一緒に居てくれ……凌。
お前が俺には必要なんだ 」
腕に乗せた頭部が薄く揺らぎ、その時俺は凌が頷いたと信じた。
汗が冷えた二人の額を合わせ触れた鼻先を擦り合う。
やがて唇が、
「 愛してる 」
と紡ぐ頃、
静かな夜の闇が訪れた。
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