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第87話 ベッドルーム 18禁風味
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ー ベッドルーム ー 18禁風味
「 ただ今〜 」
とタオルで頭を拭きながらまっ裸でベッドルームに入ってきた凌。
「 マサキさん起きたの?ごめん、、遅くなった…… 」
「 いや、ちょっとこれ、読んでたから 」
珍しく俺のベッドに足元からのし上がってくる。
「 へぇ、それで本読めるのか 」
うつ伏せた俺の肩越しに珍しそうだアイパッドを眺める。
「 読む?」
と聞くと、
「 俺ダメ……字が並んでると眠たくなる 」
クスクス笑いながら俯せの俺の身体の上に乗ってきた裸の凌。
「 なんだパンティーもはいてないのか 」
とからかうと、
「 マサキさん、オヤジだなぁ 」
と言いながら、
下の毛の生えている下腹部をなおさら俺の尻に擦り付ける。
間にある柔らかいものが少し芯を持って俺の尻山の間を濡らすのがわかった。
凌が背後から頰を寄せて耳たぶを口に含む、暫く好きにさせておくと耳孔に尖らした舌が滑り込む……
「 擽ったいぞ 」
「 耳ってなめやすい……塩が足りない時にいいかも 」
横目で凌を見ると、言葉よりも深く色づいた瞳が潤んできているのがわかった。
男の身体をしたこの艶っぽい生き物は時に芯から欲望を煽り立てる。
その声と瞳と、薄く開いた口元が誘うように緩む時、俺は簡単にその罠に落ちて行く。
詰まる所は若い身体を盾にして、滴るよう溢れる欲。
凌に欲しいと漏れられると俺には断る術もなかった。
重たい身体を僅かに持ち上げその隙間で翻った胸と胸を併せ、深く抱きしめると、安心したように吐息を漏らす。
虎に懐かれたような気分になりながらも、触る毛は下腹にうごめく性の印の叢だけだ。
薄く焼けた肌を撫でると背筋の筋肉がさざめいてくるのがわかる。
臀部にまで下ろす腕は汗でもうお互いに張り付くようだった。
軽く合わせた唇から、徐々に深く絡み合う舌が伸びる。口外で見せつけるように唾液を交換する時にはもう体はズンと響く重い欲望に囚われる。
同性同士男だからこそ思いの丈を快感の壺に突き入れて激しく振れば快感が直ぐに弾けることは知っていた。
そこまでを殊更なように長引かせ楽しもうと、快感で悶えるまで、その先の散る終焉が見れるまで昂ぶり愛し合う。
これが恋人との性行為なんだと初めて知った。
今頃?そんな自分を笑うことはない、人にはそれぞれ出会いの、大切なものに出会う時期ってのがあると思う……
幸運にも俺には、今、それが訪れた。
大切なものを知る、大事にしたいと思う。
その事に遅いなんてことは恐らくない。
ネガティブな気持ちを一昨日に蹴飛ばして俺は前を見る。
俺も青木の言葉が身体に染み込んだのか、これには笑うしかないな……
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