9 / 10
【2】-5 ※R18
逃げようと身をよじるたびに、男は晴を抱き締め、肩や背中にキスを落とした。
最初のうち小刻みに進められていた楔は、やがて大きく抜き差しを繰り返しながら奥まで入り込んでくる。ずるりと抜かれそうに引いた後、ぐっと奥までねじ込まれて晴は悲鳴をあげた。
痛みに混じって、背筋に走る電気のような快感に慄いて身もだえる。
「い……ゃ、あ、ああ、ああ……っ」
どんなに泣き叫んでも、男は執拗に晴を貪った。欲情にかすれた声で敏感な耳元に囁く。
「ハル……。ああ、素晴らしい。中も、すごくいい……」
快絶に溺れた喘ぎとリズミカルな律動で晴を犯し続ける。
ひどくしないと言ったくせに、獣のように激しい腰使いで翻弄したかと思うと、中に突き立てた楔を複雑に操り、晴が感じて仕方ない場所を何度も突いて晴を啼かせた。
強く突かれる痛みと、それとは別の未知の快感に晴は泣き続けた。
いや、いや、と何度も首を振ったが、やめてもらえるどころかさらに激しく奥を突かれた。
嵐の中の小舟のように、なす術もなく細い身体を揺らされ、突き上げられ、悶えながら、痛みだけではない甘い苦しさに溺れてゆく。
もう本当に何もわからなくなった頃、ひときわ激しい動きで活塞を繰り返した男が、くぐもった呻きに喉を鳴らして熱い塊を放った。
薄い膜を通して、どくんと注ぎ込まれた温かい感触に、晴の背中が無条件にビクビクと震える。
「あ、あ……」
男が指で晴を包み込む。
「あ、あ……っ、あ……あぁん」
胸の先端を弄られながら、再び張り詰めていたものを刺激され、晴は鋭い悦楽とともに二度目の解放を迎えた。
薄く目を閉じて、甘い吐息を吐きながら快楽の蜜を放つ。
「あ、は………」
「……綺麗な顔だな」
震える背中に、乱れた吐息で男が囁いた。
泣き濡れた顔のまま振り向くと、男の目は奥のバスルームに向けられている。
開いたドアの向こうに、こちらを見て絡み合う淫らな姿が映し出されていた。
「……ひっ」
耐えられる羞恥の許容範囲を完全に超えていた。
全身を火のように赤く染めて涙を浮かべる晴を、男は優しく抱き締めた。愛しそうにうなじや肩にキスを落とす。
ともだちにシェアしよう!