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門の付近で立ち止まっていると、横を過ぎる不良たちの鋭い眼差しが此方を一瞥する。 目を合わせたら最後、あいつらは狂犬の如く襲いかかってくる生き物だ。そう思い、ひたすら前だけを見据えて目立たぬよう待ち伏せていた。 「ど、どいつ…?」 「き、強太くん。やっぱ帰ろ?恐いんでしょ?」 「こっ、こわ……恐くないしっ!」 「こ、こ、声震えてるよっ?」 電信柱の裏に身を隠して校門から出てくる生徒達を見張っていると、金子くんは俺の横から声を潜めて指をさす。 「あ、いた、あの人たちだよ……!」 その指先を目で辿り、見えてきたのは5人組の男子生徒。パンクなモヒカンヘアーをしたガタイの良い男と他数名…。オシャレな髪型も増えたこのご時世で、今時ヤンキーがパンクモヒカンって…どこの雑魚キャラだよ… 「よし、金子くんは待ってて。行ってくる!」 「えっ、ほんとに行く気?ダメだってば!危ないよ!」 「ここまで来て逃げるなんて出来ないよ!」 「そんな事言っても僕らに適うわけないってばぁ!」 俺の腕を尚も離そうとしないビビリな金子くんと、行く行かないの押し問答を繰り返している内に段々と声が張り上げていく。すると、しゃがんだままコソコソと話す俺らの足下に、突如として複数の黒い影が掛かった。 「おい、お前。今朝のガキだよなぁ?」 背後から野太い声が突き刺さり、ビクッと肩が跳ねる。 「なんだぁ?仕返しにでも来たか?」 「それとも、またやられにきたのか?」 「お、今度はお友だちも一緒かぁ。チビの友達はやっぱチビってか!ギャハハハ」 口々に罵倒してきては汚い声で嘲笑う男たちの声に振り返ると、そこにはさっきの5人組がいて、俺ら二人はいつの間にか塀との狭間に囲まれていた。 奴らの存在に気付いた途端に震えが大きくなる金子くん。俺は彼を背中に隠して盾になり、遥かに背の高いやつらの顔を睨み上げる 「と、盗ったもの、返して下さい……!」 「強太くん!?」 固唾を呑み込み、震える声を精一杯に振り絞った。
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