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たおる

美月(みつき)side】 あ・・・おきなきゃ。 「・・・・・・・・・・ふぇっ!?」 「・・・ぅん・・・?」 ここどこ!? あったかい・・・どこ!? なんで・・・ぼく、どこでねて・・・・・あ。 「ょ・・・よし、とらさ・・・ん?」 「・・・んー・・・」 ゆめじゃ、なかったんだ・・・。 ぼく、よしとらさんのおうちに、いるんだ。 おなかいっぱい食べて、いっぱいあそんだのも、ゆめじゃなかったんだ。 あれ、でも・・・。 ぼく、よしとらさんのうえで、ねてる・・・? どおして・・・もしかして、ぼくがかってに、のっちゃったの? 「おはよう美月。はえーな、まだ7時前だぞ」 7じ!? どおしよお、ねぼうしちゃった! おこられちゃ・・・ぅ? 「ぁの、ごめん、なさい、ぼく・・・ねぼう、した・・・?」 「してない。眠いならまだ寝てていいぞ。」 え、もお7じなのに? 6じにはおきて、おせんたく、しなきゃいけないのに? おかあさんがおきるまえに、おせんたくしなきゃ、ごはん、もらえないのに? 「ねむ・・・くない、です。ぁの、おせんたく、しないと・・・」 「・・・手伝いぐらいはって言ったんだったな。駿河(するが)に聞いてみるか。その前に・・・」 よしとらさんが、ぼくをうえにのっけたまま、おきた。 ぼくのせなかを、おさえててくれてるから、ぼくはうしろにころがらないで、よしとらさんにくっついたまま。 「顔洗って・・・朝飯だな」 かお、あらって、あさめし? あさの、ごはんってこと? おきて、べっどからでるよしとらさん。 ぼくは、よしとらさんに、くっついたまま。 ぼくをだっこして、せんめんじょにいく、よしとらさん。 ぼくは、まだ、だっこされたまま。 「あ、美月届くか?」 「・・・はぃ」 とどくか、って、すいどうに? ・・・とどきますよ。 よしとらさんにおろしてもらって、ちゃんと、じぶんで、おみずをだした。 「・・・んー・・・ぷぁっ」 あれ・・・? おみずじゃなかった。 おゆだった。 「よし、これタオルな」 「ぁりがと、ございます」 ぼくにたおるをわたして、こんどはよしとらさんが、かおをあらってる。 よしとらさんはおおきいから、しんぱいしなくても、ちゃんととどく。 ・・・ぼくも、よしとらさんみたいに、おおきくなれるかな。 「美月、タオル」 「ぁっ、はいっ」 あ、ぼくのつかったたおる、わたしちゃった! よごれてるかもしれないのに・・・っ。 「ご、ごめんなさいっ、それぼくがつかっちゃった・・・」 「俺と一緒じゃ嫌か?」 「ふぇ?・・・ゃ、じゃない、です」 ぼくは、やじゃない。 でも、よしとらさんは? よしとらさん、ぼくといっしょのたおる、やじゃないの? 「ん?どおした美月、抱っこするか?」 「ぁ、あるけ、ますっ」 ・・・ほんとは、だっこ、してほしいって、おもってたけど。 ちゃんと、じぶんで、よしとらさんとあるいて、あさのごはんを食べに行った。

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