56 / 70
しあわせ
【美月 side】
夜ごはんは、麗彪 さんがつくってくれるって。
ベッドで寝てていいよって言われたけど、麗彪さんとはなれたくなくて、キッチンのとこまでつれてきてもらった。
麗彪さんがおっきなクッションを持ってきてくれて、その上に座ってる。
いつも駿河 さんが座ってるやつで、人をだめにするソファって言ってた。
「大丈夫か美月」
「うん。動かないよおにしてたら、だいじょぶ・・・」
えっとね・・・おしり、いたいの。
だから、毎日はだめって、麗彪さん言ったのかな・・・。
「よし、何が食いたい?時任 みたいに何でもはつくれないけど、食べたいモノ言ってみて?」
「えっと・・・オムライス!おっきいの!」
「任せろ」
ぼくに、ちゅってしてから、おやさいを切り始める麗彪さん。
お料理してるのも、かっこいい・・・。
・・・あ!
けいたい、持ってればよかった・・・。
お料理してる麗彪さんの写真、とりたかったな・・・。
「ケチャップで何描いて欲しい?」
「ヤドカリ!」
「まじかよ」
まあるく目をかいて、ちょきちょきハサミかいて、ぐるぐるかいがら・・・!
「麗彪さんじょーず!!」
「まあな」
おっきくて、きれいなオムライス。
リビングのソファに座った麗彪さんのひざの上に座って、麗彪さんと食べる。
「しあわせ」
幸せって言葉、辞書で見つけてしらべた。
運が良い事、幸運、幸福。
運は、めぐりあわせ、さだめ。
幸福は、恵まれた状態にあって満足に楽しく感じること。
麗彪さんに会えて、麗彪さんのお家に来て、麗彪さんといっしょにいられて、駿河さんと時任さんと片桐 さんとカンナさんもいて、とってもとっても、しあわせ。
「美月が幸せなら俺も幸せだ」
麗彪さんを大好きな気持ちがいっぱいになって、笑ってるのになみだが出る。
かなしい時じゃなくても、なみだって出るんだ。
知らなかったこと、またひとつ知れて、麗彪さんが大好きって気持ちがふえた。
ともだちにシェアしよう!