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とらきち
【美月 side】
どおしよお。
どおしよどおしよどおしよお・・・。
だって、いろんなほん、いっぱい買ってもらっちゃった。
しゃしんとってもらって、ぼくも、よしとらさんのしゃしんとっちゃった。
ふかふかくっしょん、買ってもらっちゃった。
おっきいトラさん、買ってもらっちゃった。
あと、しゃしんがとれる、けーたい買ってもらって・・・。
いま、くれえぷ、食べてる。
あまくて、ふわふわで、おいしい。
くれえぷ、すき。
トラさんも、ふかふかも、しゃしんも、ほんも、すき。
でも、いちばんすきなのは、だいすきなのは、やっぱり・・・。
「よしとらさん」
「ん?」
「ぇと・・・なんでもない、です」
ぼくが、くれえぷ食べてて、よしとらさんは、こーひーのんでる。
ときとうさんは、ふぉ・・・ふぉんだん、しょこら?
ひとくち、もらっちゃった。
ここあみたいに、あまくてあったかいのに、つめたくてあまいのが、いっしょになってて、びっくりおいしかった。
つめたくてあまいのは、えと・・・あいす。
あいすも、すき。
「麗彪 さん、撮り過ぎです。変質者に間違えられますよ」
「うるせぇよ」
「あ、ぼくもとるっ、よしとらさん、トラさんだっこして、はいっ」
「・・・美月なら、許す」
「俺も撮っていいですか」
「埋めんぞ時任 」
トラさんと、よしとらさんのしゃしん、とれた!
よしとらさん、やっぱり、かっこいい・・・。
ぼくも、よしとらさんみたいに、なれるかな。
あ、トラさんになまえ、つけなきゃ。
「あっれ~おやつですかぁ?俺も俺も~。あ、お姉さん、バナナチョコパフェひとつ~」
あ、するがさん。
ばなな、ちょこ・・・ぱふぇ?
ばななとちょこはわかるけど、ぱふぇってなんだろ。
「早かったな駿河 」
「ええ、思ってたよりあっさり片付きました。後は新名 たちに任せてきたんで。そんな事より、麗彪さん何でそんな可愛いヌイグルミ抱っこしちゃってんですか?」
「とらきちですっ」
「名前付けてやったのか」
「うんっ」
トラさんのなまえ、とらきち。
ずっとまえよんだ、えほんにでてきたトラのなまえ。
するがさん、とらきちのこと、かわいいって言った。
かわいい・・・って、とらきちみたいなこと、なのかな・・・。
「美月のとらきちだ。悪いか」
「な~んにも悪くありませ~ん」
とらきち。
おっきい、きいろい、しましま、ふわふわ・・・。
・・・ぼくといっしょのとこ、どこ?
「あの、よしとらさん」
「ん?」
「とらきち、かわいい、ですか?」
「ああ、可愛いな。美月には負けるが」
「ぼくは、とらきちより、かわいい、ですか?」
「ああ、美月が一番可愛い」
「・・・・・」
ぼく、とらきちより、おっきい。
かわいいは、おっきいっていみなの?
「じゃあ、ぼくより、よしとらさんのほうが、かわいい?」
「いや、美月は世界で一番可愛いから。俺は可愛くなんかないだろ」
「せかい・・・」
あれ、かわいいは、おっきいっていみじゃ、ないのかな・・・。
ぼくは、きいろくないし、しましまもないから・・・。
ふわふわ・・・でもないけど・・・。
やっぱり、かわいいっていみ、わかんないな・・・。
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