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おとうさん
【美月 side】
麗彪 さんのおうちはとっても広い。
人もたくさんいて、いろいろしてくれて、駿河 さんも時任 さんも、お仕事はしなくてよくて、ぼくとずっと遊んでくれる。
あと、カンナさんと片桐 さんも来て、みんなで車でレースして遊んだ。
とっても楽しい・・・でも・・・。
「麗彪さん、まだ戻ってこないの?」
「今までのツケがたまってますからね〜、なかなか解放されませんね〜」
「美月ちゃんにかまってばっかりでサボってたからよぉ、自業自得ね」
麗彪さん、ぼくのせいで戻ってこられないの?
もしかして、おこられてるの?
どおしよ・・・!
「ぼく、ごめんなさいって言ってきます!ぼくがわるいからって、ちゃんと言ってきますっ!」
「美月は何も悪くねえから」
「麗彪さんっ!?」
麗彪さん戻ってきた!
ぎゅって抱きついたら、麗彪さんもぎゅってしてくれて、抱っこしてくれる。
「麗彪さん、だいじょおぶ?おこられたの?」
「大丈夫。親父が遊んで欲しいって言うからちょっと遊んでただけだ。遅くなってごめんな」
よかった、麗彪さんがおこられてなくて。
パパ、麗彪さんと遊びたかったんだ・・・。
じゃあ、ぼくが行ってじゃましちゃわなくてよかった。
「仲良し親子ですね〜」
「うるせえぞ駿河」
なかよし・・・やなの?
ぼくは、いいなって、思う。
ぼく、おとうさん、知らないから。
パパは麗彪さんのおとうさんだけど、ぼくのおとうさんにもなってほしいって、思うよ。
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