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ぼくがまもる
【美月 side】
今日、幽霊のDVDを見た。
いっぱいびっくりして、でも気になってずっと見ちゃって、麗彪 さんが見るのやめようって言っても、さいごまで見ちゃった。
こわかった、けど、おもしろかった。
ほかにも幽霊のDVDあったら見たいって言ったら、麗彪さんが、やだって。
麗彪さん、幽霊がこわいから、見たくないって・・・。
ぼく、自分が見たいからさいごまで見ちゃったけど、麗彪さんこわいのがまんしてたんだ。
それなのに、ぼくがひざの上に座ってたから、見たくないのに見ちゃったんだ・・・。
「ごめんなさい・・・ぼく、麗彪さんのことまもるから!幽霊なんてぜったい、麗彪さんのとこに来させないからっ!」
「ありがとう美月。まだ怖いから、ぎゅってしてくれるか?」
「うんっ!」
いつも麗彪さんがしてくれるみたいに、ぎゅーって抱きついた。
麗彪さんもぎゅーってしてくれる。
だいすき。
「美月、麗彪さんは幽霊なんて・・・」
「黙ってろ時任 」
「嘘つきは泥棒の始まりで・・・」
「うるせえぞ駿河 」
麗彪さんが、時任さんと駿河さんのお話をさえぎっちゃって、なんて言ったかちゃんと聞こえなかった。
でも、ごめんなさい、ぼくは麗彪さんをまもらなきゃいけないから!
お話はあとでちゃんと聞くから!
そのまま、ベッドで寝るまで、麗彪さんをまもりつづけた。
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