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刺青と優越感

麗彪(よしとら)side】 「お風呂入っても、消えないの?」 「うん、消えないよ」 プールで身体が冷えたので、美月(みつき)とジャグジーで温まろうとしたが、先客の親父にまんまと美月を()られた。 親父の背中の和彫りに興味津々だ。 「トラ・・・かっこいい・・・」 「みっちゃんに褒めてもらえて、背中の虎も喜んでるよ」 もっと恐がると思ったが、そもそも美月は極道がどんなモンかも知らないしな。 刺青も、風呂入っても消えないただの絵でしかないんだろう。 俺は入れてないが、時任(ときとう)は両腕に蛇が彫ってある。 あれは気味悪がるかもしれない。 そう思って、あいつもずっと長袖着てるんだろ・・・。 「時任さんはヘビの絵だったよ。お風呂洗う時に見せてもらった」 あ、知ってたのか。 蛇も恐くないんだな。 「みっちゃんなら蝶々が似合いそうかな。いや、背中に翼もいいか」 「彫らせねえからな」 美月の綺麗で繊細でやわらかな肌に、そんなもん似合うわけねぇだろ。 「タトゥーシールに決まってるだろ。みっちゃんの肌を傷付ける事は赦さん」 「そんなモンあんのか」 親父のクセにわかってるじゃねぇか。 ジャグジーから出て、時任が用意したBBQにはしゃぎ、部屋で休憩がてら親父が用意していたタトゥーシールを選ぶ。 美月は背中に翼、俺は胸にトライバルタイガー、駿河(するが)は首に猫、カンナは鎖骨に蝶。 「片桐(かたぎり)さん、これも貼っていい?」 「いいですよ」 片桐の背中をキャンバスに、複数のシールを組み合わせて美月先生が作品を作成中だ。 でかい龍といくつかの彼岸花をこだわって貼り付けていく。 センスいいな。 今度、絵画教室でも行かせてみるか・・・。 「はい、かんせー!」 「力作ですね〜、写真撮りましょ〜」 駿河が片桐と美月を並べてスマホで写真を撮る。 おいこら、俺の天使とツーショ撮ってんじゃねぇよ片桐がぁ。 「みっちゃん、ぱぱとも撮ろう」 「うん!」 だめだ美月、本物(それ)と並んで撮っちゃだめだ。 それにしても・・・タトゥーシールだってわかってんのに、美月が本当に天使過ぎて飛んで行っちまいそうで不安で吐きそう・・・。 「麗彪さん、いっしょに撮ろう?」 そう言って、俺の膝上に躊躇(ためら)いなく座ってきた天使。 最近覚えたインカメラでの自撮りをしている。 「美月、キスしてくれ」 「ふふ、うん!」 美月がキスしてくれた瞬間、美月が待ってる携帯のシャッターを押す。 親父も片桐も、美月と写真が撮れたくらいで調子に乗るんじゃねぇぞ。 特別は、俺だけだからな。
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コメント
2件のコメント ▼

あけましておめでとうございます🎉 3話も更新していただけて嬉しいです 最高のお年玉ですね 次の更新楽しみにしてます😊

明けましておめでとうございます〜⭐️ Meeさんいつもありがとうございます😆 またちまちま更新していこうと思ってます💦 よろしくお願いします😊

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