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ならないケータイ

美月(みつき)side】 「お嬢、髪を乾かしましょう」 「はい、お願いします」 お風呂から出て着がえたら、新名(にいな)さんがドライヤーで髪をかわかして、さくらんぼがついてるゴムで髪をしばってくれた。 「痛くないですか?」 「だいじょぶです!ありがと新名さん」 ケータイを見たら、3時50分。 麗彪(よしとら)さんからの電話は、きてない。 「親父はちょっと出てるんで、俺とおやつ食べましょう」 「はぁい」 ぱぱは用事があってお出かけしてて、お夕飯までには帰ってくるって。 おやつは、もものシャーベット。 冷たくて美味しい。 おやつ食べたあと、新名さんがぱぱの車を2つ持ってきて、ろうかで競争して遊んだ。 この車、新しいやつだ。 ぱぱより先に遊んで、いいのかな。 「新名さん、麗彪さんはいそがしいですか?」 「そう、ですね。今日はずっと忙しいと思います。でも、手が空いたら電話をくれますよ」 もおすぐ7時。 ケータイ、ならない。 「ただいま、みっちゃん」 「お帰りなさい、ぱぱ」 ぱぱが帰ってきた。 ぱぱの新しい車、かっこよくて速かったよってお話しして、お夕飯食べよってなって。 でも、ケータイ、ならなくて。 「みっちゃん、すき焼き嫌いだったかい?」 「んーん、おいしいよ」 お肉、甘くてやわらかくて、おいしい。 でも・・・。 「大丈夫だよ。もう少ししたら、きっと電話してくるさ」 「・・・うん」 ぱぱ、ぼくが麗彪さんから電話がこなくてさみしいの、わかってくれた。 頭もなでてくれる。 ひとりでおるすばんだったら、きっと泣いてた。 ありがと、ぱぱ。 ご飯食べたら、ぱぱと新名さんとトランプして遊んで、眠たくなっちゃったから、はみがきしてから麗彪さんのお部屋に行く。 「ぱぱと一緒に寝るかい?」 「ん、麗彪さんのお部屋で、とらきちと寝ます・・・おやすみなさい」 お布団に入ったけど、まだ寝ない。 麗彪さん、電話してくれるかもしれないもん。 まってる・・・起きて、まってるよ・・・麗彪さん・・・。
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