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まどかと麗彪さんとしっと

美月(みつき)side】 「麗彪(よしとら)さん」 「どうした?」 「まどかがいないんだけど、どこいっちゃったの?」 「・・・旅行かな」 もお。 麗彪さん、またまどかかくしたでしょ。 どおしていつも、まどかかくしちゃうのかな。 「美月、真叶(まどか)ならクローゼットで旅行の支度してるぞ」 「ありがと時任(ときとう)さん!」 クローゼット開けたら、奥の方にまどかがぎゅって入ってた。 かわいそう・・・。 まどかをとらきちと、カワウソの海ちゃんの間に座らせてあげて、ぼくは麗彪さんのとなりに座りに行く。 「麗彪さん」 「ん?」 「まどかのこと、好きなの?」 「美月しか好きじゃない」 じゃあどおして、まどか連れてっちゃうのかな。 とらきちと海ちゃんには、しないのに。 新名(にいな)さんがプレゼントしてくれたから? やっぱり、麗彪さんは、新名さんのこと・・・。 「美月、ごめん、もうしない。だからここ座ってくれ」 麗彪さんが、ひざをぽんぽんってしてる。 いつもはすぐ座るけど、その前にもう1回、聞いてみよう。 「麗彪さんは、新名さんのこと・・・」 「美月しか好きじゃない。真叶をどっかやりたいのは、あいつは新名がよこしたスパイで、あいつと同じ名前だからだ」 まどかが、すぱい? すぱいって、なんだろ。 辞書もケータイもないから、すぐ調べられない・・・って思ってたら、麗彪さんがぼくのことひょいって持ち上げて、ひざの上に座らせちゃった。 「あいつは美月を盗ろうとしてるから嫌いなんだ。ぬいぐるみの真叶に嫉妬した・・・呆れたか?」 「麗彪さん、まどかにしっと、したの?」 ぼく、麗彪さんと仲よししてた新名さんにしっとしたけど、麗彪さんは新名さんがくれたまどかにしっとしたの? どおして・・・? 「ぼく、まどかのこと好きだけど、1番好きなの・・・愛してるのは、麗彪さんだよ?」 「ああ、そうだよな、わかってる。でも真叶は嫌いなんだ、新名の顔がちらつくから。真叶とはあんま仲良くすんな」 うーん・・・。 もしかして、麗彪さんと新名さんが仲よししてるの見て、ぼくが変な感じになるのと、いっしょなのかな。 「じゃあ、麗彪さんも、新名さんと仲よししない?」 「絶対しない。今までも仲良しじゃねぇし、これからも新名と仲良しにはならない」 「でもまどかいじめちゃだめだよ。奥にぎゅってしたらかわいそうだからやめてね」 「・・・・・・・・・わかった」 小さい声だったけど、わかったって言ってくれた。 ぼくも、まどかと仲よししないよおにしなきゃ。 まどか、とらきちと海ちゃんがいるから、大丈夫だよね? 抱っこするのは、麗彪さんがいない時だけに、しよおかな。
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