98 / 300
ねこカフェ
【美月 side】
ホテルに来てから、麗彪 さんはずっといっしょにいてくれる。
駿河 さんと時任 さんは交代でお仕事に行って、片桐 さんもお泊まりに来てくれた。
ぼくは赤い車で遊んだり、片桐さんがおうちから持って来てくれたDVD見たり。
麗彪さんがお仕事してる時は、駿河さんが印刷してくれた高等学校卒業程度認定試験の過去問をやってる。
答え合わせでいっぱいまるがもらえると、とっても嬉しい。
麗彪さんは、そんなのしないで遊ぼうって言うから、麗彪さんがお仕事してる時だけやってるんだけど。
「みーつき、あーそぼ」
「麗彪さん、お仕事終わったの?なにして遊ぶ?ゲーム?トランプ?」
片桐さんはDVDだけじゃなくて、おうちにあったおもちゃ全部持って来てくれてた。
昨日はみんなでウノやって、夜はトランプでポーカーとかブラックジャックとかやった。
ポーカーは時任さんがいっぱい勝ってて、ぼくはすごく弱い。
ブラックジャックなら負けないのに。
「今日はちょっと外に行こう」
「・・・そと?」
なんでだろ。
いつもは、お外にお出かけ、嬉しいのに。
ぼく、お外行きたくない、のかな・・・。
「どこ、行くの?レストラン?」
「いや、ホテルの外」
ホテルの、外・・・。
ほんとに、お出かけなんだ・・・。
「・・・ぅん」
「近くに猫カフェがあるから行ってみないか?猫いっぱい触れるぞ」
「・・・ねこ、カフェ?」
麗彪さんと手をつないで、片桐さんと時任さんと4人で、お出かけ。
時任さんは車を運転してくれて、ぼくと麗彪さんと片桐さんの3人で、ねこカフェに行くんだって。
「美月、大丈夫だ。絶対手ぇ放さないから」
「・・・うん」
大丈夫。
麗彪さんといっしょだもん。
麗彪さんと、お出かけだもん。
「ふあぁ・・・っ!」
ねこ、いっぱい!
みんなかわいい!
おひざに乗ってくれたり、手にすりすりしてくれたり、おもちゃで遊んでくれたり・・・。
「ねこ、かわいいぃ・・・っ!」
「美月は猫にもモテるんだな。片桐までモテてんのは意外だったが」
「私は動物には好かれやすいので」
ねこ、やわらかくて、あったかくて、ふわふわ。
ずっとここにいたい・・・。
「麗彪さん、ねこカフェ・・・お出かけ連れて来てくれて、ありがと」
「喜んでくれて良かった。出かける時は俺が一緒にいるからな。俺が美月を護るから」
「うんっ!」
あさって、おうちに帰る。
麗彪さんといっしょなら、きっと大丈夫。
もお、恐くなったりしない。
ともだちにシェアしよう!

