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わがまま

美月(みつき)side】 起きたら、お昼過ぎてた。 麗彪(よしとら)さんも、まだ隣で寝てる。 昨日は、麗彪さん帰ってくるの遅くて、ちょっとむかってしちゃった。 お仕事忙しくて、疲れて帰ってきたのに、遅いって言っちゃった。 ほんとは、お疲れさまって、言ってあげたかったのに。 テスト頑張ったから、片桐(かたぎり)さんもほめてくれたから、はやく麗彪さんにも見てほしかったのに。 ごほうび、また噛んでほしくて、麗彪さんはもおやめよおって言ったのに、噛んでってお願いしちゃった。 ぼく、どんどんわがままになってる・・・。 もお、麗彪さんに、いい子って言ってもらえなくなっちゃう・・・。 どおして、こんなふうになっちゃったんだろ・・・。 「ごめんなさぃ、麗彪さん・・・」 「・・・んん、なにが?」 麗彪さん、起きてた。 ちゃんと、あやまらなきゃ。 「お仕事、疲れて帰ってきたのに、遅いって言ってごめんなさい」 「美月は悪くないだろ。帰るの遅くなったのは俺のせいだ。すぐ帰って来てって言われてたのに、ごめんな」 麗彪さんが優しく笑って、頭をなでてくれる。 大好き・・・こんなに大好きな麗彪さんに、わがまま言うなんて・・・。 「ぼくが悪い・・・それに、噛むのやめよおって言われたのに、噛んでってお願いしちゃったし・・・ぼく、わがままばっかり言ってごめんなさ・・・」 「美月が我儘言ってくれるようになったのは嬉しいよ」 ・・・え? わがまま、嬉しいの? なんで? 「美月の我儘なんて可愛いだけだし、俺にも都合のいい我儘だし、もっと言ってくれていい」 麗彪さんにも都合がいい? どおゆう事・・・? 「・・・麗彪さん、噛むの、好き?」 「傷痕が残るのは嫌だけどな。美月に痕付けんのは好きだ」 麗彪さんが、ぼくの肩をなでた。 ぴりって痛い。 噛んでもらったとこだ。 「ぼくはずっと残っててほしい」 「んー・・・じゃあ、噛むんじゃなくて、毎日新しいキスマーク付けるのは?」 「毎日・・・」 それって、毎日えっちするって事、かな・・・。 「美月、えっちしなくてもキスマークは付けられるぞ」 「あ、そ、そお、なの?」 どおしよ、ぼく、えっちな事ばっか考えてるって思われちゃったかも・・・はずかしい・・・っ。 「どうする?毎日キスマーク付けるか?」 「うんっ」 「ははっ、即答かよ」 麗彪さんは、ほんとに優しい。 わがまま言っていいって、キスマークも毎日付けてくれるって。 どおしたら、麗彪さんにお返しできるかな。 とりあえず、服着てなかったから、昨日脱いだ麗彪さんのスウェットだけ着たら、とっても喜んでくれた。 こんな事でいいの・・・? ぼく、麗彪さんのために、なにができるんだろ。 麗彪さんのお仕事、お手伝いできるよおに、なりたいな。
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