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熱とお薬
【美月 side】
夢の国から帰ってきて、朝起きよおとしたら、起きられなかった。
頭熱くて、ちょっと痛くて、ぼーっとする。
「ょしとらさん・・・」
「カンナ来るからちょっと待ってろ。頭痛い以外は?なんか飲むか?」
「んーん・・・」
麗彪 さんは、ぼくが病気になっても、ゴミ袋に入れないって言ってた。
だから、ちゃんと、具合悪いって、言えたんだ。
麗彪さん、なおしてくれるって、言ってたから。
「来たわよ。熱は測 った?」
「38.8℃あった。頭が痛いって」
カンナさんが診察に来てくれた。
麗彪さんとお話ししてる。
「高いわね。頭痛以外はどう?美月ちゃん、身体は痛い?」
カンナさんが、ぼくの首とか手とかお腹をさわりながら、聞いてきた。
お医者さんの診察・・・初めて・・・。
お医者さんのカンナさん、かっこいいなぁ・・・。
「んーん・・・」
「解熱鎮痛剤を飲ませたいけど、何か食べられそう?」
「んー・・・」
食べたくない・・・でも、食べなきゃだめ、なのかな・・・。
「麗彪さん、おかゆ作ってきました。薬飲ませるなら食わせないと」
時任 さんが、おかゆ持ってきてくれた。
そっか、お薬飲む時はご飯食べなきゃだめなんだ・・・。
「美月、ちょっとでもいいから食おう。な?」
「ぅん・・・」
麗彪さんに食べさせてもらいながら、おかゆを食べた。
ぼーっとしちゃって、ちょっとずつしか食べられなかったけど、麗彪さんが偉いぞってほめてくれて、嬉しい。
それから、お薬を飲んだ。
お薬飲むの、初めて・・・噛まないで飲むの、ちょっと難しかった・・・。
「非ピリン系だけど、念の為暫 く側についてるわ。美月ちゃん、気持ち悪くなったらすぐに言ってね」
「ぅん・・・」
「お嬢、氷枕使ってください。気触 れるといけないので濡れタオルを用意しました。おでこに乗せますね」
新名 さんが、タオルを巻いた冷たい枕を頭の下に置いてくれた。
あと、おでこに冷たいタオルも。
ひんやり、きもちい・・・。
「麗彪さん、駿河 から電話です」
「ん」
麗彪さん、ほんとは今日お仕事だったのに、ぼくが熱出ちゃってお休みしてくれた。
だから駿河さんが代わりに行ってくれたんだ。
迷惑かけちゃった・・・ごめんなさい・・・。
「・・・ごめ・・・なさ・・・」
「美月はなにも悪くない。具合悪いのちゃんと言ってくれただろ。いいから、もう寝ろ」
麗彪さんが頭を撫でてくれて、カンナさんと新名さんもいてくれて、具合悪いのに嬉しいって、変かなぁ・・・。
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