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かくれんぼ

美月(みつき)side】 「「「「「じゃんけんぽんっ!」」」」」 「ええっ!?」 「独り負けとか、お前じゃんけん弱すぎだろ」 今日は、ぼくがずっとやってみたいって言ってたの、やろうってなったの。 ぼくと麗彪(よしとら)さんと、駿河(するが)さんと時任(ときとう)さんと新名(にいな)さんの5人。 場所は、ぱぱのおうち。 広いから。 「100数えてくださ〜い」 「数えますよー。いーち、にーい、さーん・・・」 「美月、どこ行くんだ?」 「麗彪さん、美月の邪魔しないでください」 「あっ、おーき、ついてきちゃだめだよ、ばれちゃうっ」 みんなでやってるのは、かくれんぼ。 鬼が100数えてる間にかくれて、最後まで見つからないと勝ち。 見つかっちゃった人も鬼になるから、麗彪さんにもかくれるとこはないしょ。 お庭にかくれよおと思ったのに、桜鬼(おうき)がついてきちゃって、後からロルフとリヒトも来ちゃった・・・。 「ごーじゅさん、ごーじゅよん、ごーじゅご・・・」 ああーっ、新名さん、もお55まで数えちゃってるっ。 みんな、どこかくれたの? 「お、まだ隠れてないのかい?」 「ぱぱっ!か、かくしてかくしてっ!」 「おお。じゃあこっちおいで」 はやく早くっ、見つかっちゃうよおっ。 ぱぱといっしょにお部屋に入る。 ・・・あ、ここ、ぱぱのお部屋だ。 お仕事用の大きい机と、ぱぱの大きい黒いイスがあって、ぼくは机の下に入って、ぱぱはイスに座ってぼくをかくしてくれた。 「ここなら見えないねっ」 「はは。みっちゃん、苦しくないかい?」 「だいじょーぶ。新名さん来るまで、ぱぱの膝に顔のっけてていい?」 「いいよ」 ぱぱの膝に顔乗せるの、桜鬼のまね。 これすると、ぱぱが頭撫でてくれる。 「急に遊びに来たからどうしたかと思ったら、かくれんぼがしたかったんだな」 「うんっ。公園でやろって言ったら、みんなが、危ないからぱぱのおうちでやろうって」 「そうだな、外でやるのは危ない。かくれんぼでも追いかけっこでも、遊びたい時はうちにおいで」 追いかけっこなら、桜鬼たちもいっしょに遊べる・・・かくれんぼの次は追いかけっこやろ。 あ、あともお1つ、やりたいのあったんだった。 「お化けやしきは?」 「やりたいのかい?じゃあ、今度来る時までに、うちの中をお化け屋敷に改造しといてやろう」 おうちを改造? どおするんだろ・・・お化け呼ぶのかな・・・。 あっ、でも、麗彪さんが怖がっちゃう。 「ぱぱ、やっぱりお化けやしきはやめよ?麗彪さんが怖がっちゃう」 「・・・ふっ・・・そ、そうか・・・くく・・・っ、よっちゃんはお化けが怖いんだなあ。じゃあやめとこうな・・・くっく・・・」 ぱぱの膝にほっぺたくっつけて、笑ってるぱぱに撫でてもらってたら、お部屋のドアがばんって開いた。 「美月っ!ここか!?」 麗彪さん? 見つかって、鬼の仲間になっちゃったんだ。 「おいおい、ノックもなしに・・・」 「親父、隠してるだろ、俺の美月を」 「ところでお前、お化けが怖いのか?」 「ああ"?」 あれ? 麗彪さん、もしかしてお化け怖くなくなったの・・・? 「・・・怖い!美月、助けてくれっ!」 「えっ?よ、麗彪さん、大丈夫だよ!ぼくここ・・・」 「みぃつけたっ」 ・・・・・・あれ? ぼく、麗彪さんに、つかまっちゃった・・・。 でも、ぼくを抱っこした麗彪さんは、もお怖がってなさそおだったから、良かった。

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