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うちの夫
【美月 side】
どおしよ・・・麗彪 さんが、女の人とお話ししてる。
ぼくが、時任 さんとチョコレートファウンテンでいちご食べてたら、いつの間にかいなくて、女の人と・・・。
なんで?
麗彪さんはぼくの恋人でしょ?
ぼくとお付き合いしてるんでしょ?
あ、違った、今は結婚してて、ぼくの夫でしょ!?
「奥様〜」
「駿河 さんっ、麗彪さんが・・・っ」
「はい、なんか捕まっちゃってるんですよね〜。奥様が助けてあげてくれますか?」
麗彪さん、捕まっちゃったの?
あの女の人、悪い人?
ぼくが、助けるの?
ぼくが麗彪さんを・・・助けなきゃ!
「どおすればいい?」
「それはですね・・・」
駿河さんに、麗彪さんを助ける方法を聞いて、麗彪さんのところに行く。
大丈夫、ちゃんとできる。
麗彪さんを助けるから!
「麗彪さん」
「あ、美月!すみません、妻が・・・」
「あらぁ、可愛らしい!この子が榊 さんのお連れ様?おいくつかしらぁ?」
・・・この人、酔っ払ってる。
なんか、ぐねぐねしながら喋ってて、気持ち悪い。
こんな人に麗彪さん、取られたくないっ!
だから、駿河さんに言われた通り、にこーって笑って言った。
「うちの夫がお世話になっております。ねえ麗彪さん、おじゃまな様なら、時任と先に帰るね。麗彪さんは駿河に面倒見てもらって?」
「そんな・・・嫌だ、美月が帰るなら俺も一緒に帰る。美月がいなきゃ生きていけないの、知ってるだろ・・・」
酔っ払いの女の人、なんか変な顔して、ぼーっとしてる。
口紅も、赤くて恐いし、麗彪さん連れて行っちゃお。
「すみません、うちの夫は甘えんぼさんなので、連れて帰りますね。行こ、麗彪さん」
「・・・っ!ああ」
麗彪さんと手を繋いで、駿河さんと時任さんのとこに行く。
ご飯も食べたし、チョコレートファウンテンもいっぱい食べたし、もお帰ろうね。
「お疲れ様です〜」
「なあ、美月が俺の事、うちの夫って言ってくれたんだが。しかも俺を置いて行こうとして、縋り付いたら手を繋いで連れて帰ってくれるんだが。あの女、赤い口紅してたのに、立ち向かって俺の事迎えに来てくれたんだが・・・!」
「落ち着いてくださいよ、嬉しいのは良くわかりましたから」
嬉しい?
麗彪さんの事、ぼくちゃんと助けられた?
「頑張ったな、みつ・・・奥様」
「ふふ、ありがと時任さん。もお帰っても大丈夫?」
「はい、挨拶回りも済みましたし、チョコレートファウンテンも食べましたし、もうここに用は無いですね〜」
そのまま、麗彪さんと手を繋いで車まで行った。
駿河さんが、言わなくても手を繋いで麗彪さんの事引っ張って行けば、麗彪さんはぼくのってみんなにわかるって言ってたから。
麗彪さんは、ぼくのだからねっ!
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