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もお大丈夫
【美月 side】
足が痛いの治って、カンナさんにも、もお大丈夫って言ってもらえた。
だから、もお大丈夫なのに
「麗彪 さん」
「ん?」
「ぼくね、もお歩いていいって」
「そうか、良かったな」
うん、だからね。
「ずっと抱っこじゃなくていいんだよ?」
「足が治ったら抱っこしちゃいけないのか?」
「そおじゃないけど・・・」
麗彪さんてば、1週間ずーっとぼくの事、抱っこしてるのに、まだ抱っこするの?
ぼく治ったし、そろそろ下ろしてくれても・・・。
「麗彪さん、美月はトイレに行きたいんじゃないですか?」
時任 さんが言ってくれた通り、ぼくはおトイレに行きたいです。
でも・・・。
「わかった」
「ま、待って!下ろして!ひとりで行けるから!」
おトイレの中でまでお世話しなくてだいじょぶだからあっ!
「してる時は外で待ってるんだからいいだろ」
「リビング で待っててよぉ」
結局、おトイレの前まで抱っこされてきちゃった。
「外にいて。もお自分で脱いだり座ったりできるから」
「ここまで来たんだし、俺がやってもいいだろ」
「もおっ!」
麗彪さん、駿河 さんにもヘンタイって怒られたのに「俺は美月専門の変態だからいいんだ」って・・・。
よくないよっ!
「だめっ!ドアの前で待っててっ!」
「仕方ねぇな」
うう・・・やっとひとりでおトイレできる・・・。
もお絶対、足ケガしないよおにしなきゃ・・・。
「麗彪さん、雅彪 さんから電話です」
「ああ」
おトイレから出て、また麗彪さんに抱っこされてリビングに戻ってきた。
ぼくを膝の上に座らせて、麗彪さんがぱぱとケータイで電話してる。
「・・・ああ、一応もう歩ける・・・俺の膝の上・・・ああ"?・・・わかったよ・・・はあ?なげぇよ、そんなに・・・あ、おい・・・くそっ」
あ、くそって言った。
悪い言葉だよ。
「どおしたの?」
「また親父が仕事押し付けてきやがった。・・・なあ美月、本当に足は大丈夫か?」
ぱぱからお仕事お願いされたんだね。
でも、嫌だったのかな。
ぼくの足?
「うん、大丈夫。カンナさんがやっと今日大丈夫って言ってくれたけど、ほんとは一昨日から大丈夫だったよ」
「そっか。・・・あのな美月、ちょっと遠くまで人に会いに行くんだ。向こうに1週間くらいいなきゃいけないんだが・・・一緒に来るか?」
ちょっと遠くって、どれくらいかな。
こないだ行った、湖の前のホテルくらい?
でも、一緒に行かなきゃ、麗彪さんと1週間も会えなくなっちゃう・・・。
「行くっ!一緒に行く!絶対行くっ!」
「わかった、みんなで行こう。駿河、美月囲えるホテル手配しろ。全員で泊まる」
「カンナも入れて7人ですね。了解で〜す」
みんなでお泊まり、楽しみ。
あ、でも麗彪さんはお仕事だよね。
ぼくがお手伝いできる事、あったらいいな。
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