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とらきちとまどかと海ちゃん
【美月 side】
ぼくは今、すごく悩んでる。
明日、車と飛行機で遠くまでお出かけして、1週間お泊まりするから、その準備してるんだけど・・・。
「連れてっちゃ、だめ?」
「向こうでいなくなったら、二度と会えなくなるぞ?留守番させた方がいい」
「でもぉ・・・」
とらきちと、まどかと、海ちゃん。
飛行機もいっしょに乗ろうと思ったのに、麗彪 さんがお留守番させなさいって。
3匹でいれば寂しくないだろって、麗彪さんは言うけど、1週間もお留守番だよ?
かわいそおだよ・・・。
「んぅぅー・・・」
「そんな唸るなら、3匹とも親父に預けていくか?」
「・・・え?そ、そしたら、ぼくが寂し・・・」
「美月には俺がいるだろ」
・・・そっか。
ぱぱにお願いすれば、とらきちたちも寂しくないし、ぼくは麗彪さんがいるから寂しくない・・・。
「ぱぱにお願いするっ!」
「よし。じゃあ親父んとこに預けに行くか」
「うんっ!」
駿河 さんと時任 さんは荷造りしてて忙しそお。
だから麗彪さんと2人で、麗彪さんの車でぱぱのお家に行く。
後ろの席に、とらきちとまどかと海ちゃんを乗せて。
「ぱぱ、ちゃんととらきちたちの事、見ててくれるかなぁ」
「美月に頼まれたら面倒見てくれるはずだぞ。なんなら定期的に写真でも送ってもらえ」
「えっ!?そっか!写真送ってもらうっ!」
ぼくのケータイ、ぱぱとも連絡できるよおになったの。
前は、麗彪さんとだけだったけど、遊園地で迷子になった時、ぼくも麗彪さんもケータイの事忘れてて・・・。
お家に帰ってからカンナさんが「なんのためにスマホ持たせてんのよ!」って麗彪さんの事怒って、みんなとも連絡できるよおにしなさいって言われたんだ。
だから、麗彪さんだけじゃなくて、ぱぱも駿河さんも時任さんも片桐 さんも新名 さんもカンナさんも、連絡できるよおになったの。
「これから行くよって、ぱぱに連絡していい?」
「いや・・・いきなり行ってびっくりさせよう」
ええ、そんな事していいの?
ぱぱ、びっくりする、かなぁ。
もおすぐぱぱのお家だ。
門が開いて、車で中に入ったら・・・ぱぱが待ってた。
「あっ、ぱぱがいる!」
「・・・ちっ、なんでいんだよ」
麗彪さん、それ、ちってするやつ、しちゃだめって片桐さん言ってたのに。
「ぱぱぁっ!」
「みっちゃーん!どうした?明日から大阪だろ?みっちゃんは行くのやめて、パパんとこ泊まるのかい?」
ぱぱがぼくの事ぎゅーってして、お家の中に連れて行こおとする。
違うよぉ。
「なんで俺たちが来るのわかったんだよ」
「なんだ、位置情報共有アプリを知らねえのか」
あ、また麗彪さん、ちってした。
「あのね、ぱぱ、お願いがあって来たの」
「なんだい?なんでも言ってごらん」
ぼくは車の後ろのドアを開けて、とらきちたちを抱っこした。
そのまま、ぱぱの前に行って・・・。
「この子たちが寂しくないよおに、見ててあげてくださいっ。あと、毎日・・・写真撮って、送って・・・?」
ぱぱが、ちょっとびっくりした顔してから、にこーって笑って言った。
「ああ、ちゃあんと面倒見るよ。みっちゃんの大事な友達だもんなあ。散歩にも連れてって、写真撮って送ってやろうな」
「ありがとお!ぱぱ大好きっ!」
とらきちたちを抱っこしたままだから、ぱぱにぎゅってできなかったけど、ぱぱからぎゅってしてくれた。
麗彪さんは「早く離れろ」って怒ってたけど。
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