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会合とバケツ
【麗彪 side】
ホテルの部屋で遊び、美月 が落ち着いたのを確認してから会合へ出た。
戻ってきた駿河 と片桐 にも事情を話し、時任 は美月の側に置いて、駿河は俺と一緒に会合に出席する。
「よっちゃぁん、お疲れぇ」
「煩ぇ、来んな」
会場に着くと、案の定綾 に捕まった。
「そぉんな怒らんといてぇ?よっちゃんの可愛がっとるお嫁ちゃんどぉしても見たかってん。こっちから見に行かんと、どぉせ見せてくれへんやろぉ?」
「当たり前だ。もう見んな、美月が減る」
「なんやほぉんま大事にしとるやん!・・・あ、時任までお嫁ちゃんとこ置いてきたん?やばっ!おもっ!」
「煩ぇっつってんだろ」
こいつはタチが悪い。
新しい玩具 を見つけると、とことん弄り倒す性格だ。
その後は、壊して手放すか、飲み込んじまう。
「なぁなぁ、みつきちゃん連れてご飯行かへん?俺もみつきちゃんと仲良ぉなりたいわぁ」
「てめぇは二度と美月に会わせねぇよ。諦めろ」
「ええ?なんでぇ?今度は恐がらせへんてぇ。ちゃぁんと優しぃく撫でなでしたるわぁ」
「美月に触ったら折る」
「処遇がリアルやなぁ」
殺すだ切り落とすだは出来なくても、折るくらいならやっても問題ねぇからな。
本気で美月に触らせる気がないと、はっきり伝えとかねぇと。
「そぉかぁ、本気なんやなぁ。・・・で、そぉんな具合いい子なん?どこまでヤらせてくれとるん?」
「てめぇに教える気はねぇ」
何でそこまで美月に興味を示すんだ。
さっさと諦めろ。
「否定せぇへんゆぅ事は、ヤる事ヤっとるんやなぁ。ええなぁ、あの子の泣き顔かぁいいやろなぁ」
「死ね」
こいつも馬鹿じゃない。
俺がこれだけ拒否してんだから、美月に手を出すなんて事はないだろうが、昼間みたいに突然現れて美月と接点を待とうとしてくるだろう。
面倒臭ぇ。
さすがの美月も、こいつにまで懐くなんて事はないだろうが・・・。
「なぁなぁ、新名 の雰囲気変わったん、みつきちゃんに懐いたからなんやろぉ?あの子どんな手ぇ使 たん?あ、手ぇとお口でえぇ事してくれたんかなぁ?あぁんな幼気 な顔してエッチな子ぉなんやぁ。俺もシて欲しいわぁ」
・・・・・・キレそうだ。
だが、それはこいつを喜ばせるだけだとわかっている。
今は美月に手を出すとかではなく、俺の反応で楽しもうとしているだけだろう。
大人になれ、俺。
「どないしたん?具合悪そぉやん」
「ああ、吐きそうだ」
「そら大変やわぁ。バケツいるぅ?」
さっとバケツを取り出して、けらけら笑う綾。
そのバケツ、いつから持ってたんだ?
それからひたすら綾をシカトして会合を終え、駿河と車でホテルへと向かった。
「お疲れ様でした〜」
「疲れた・・・あいつの口を針と糸でがっちり縫い合わせたい」
「激し〜く同意します。美月くんには絶対に聞かせたくない事しか口走りませんからね〜」
確かに。
言ってる事の意味がわからないならまだしも、美月はたぶん何言われてるかわかるだろうし。
綾は知らないからな、美月が本当はエロいって。
さっき俺を揶揄 うつもりで言ってた事も、俺には自主的にシてくれてると知ったら・・・。
・・・美月がいいって言ったら、あいつに教えてやってもいいかもしれねぇな。
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