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⭐︎番外編⭐︎雅彪の誕生日

*[見守りカメラ]と[ニーハイソックスが好き]の間* 【雅彪(まさとら)side】 『親父、今日暇か?』 「なんだい藪から棒に。いつも忙しいに決まってんだろ」 『美月(みつき)と一緒に飯食いに行きたくねぇの?』 「今日は暇で困ってたんだ。こっち来るのか?迎えに行くか?」 麗彪(息子)から、色気はないが魅力的な誘いの電話がきた。 麗彪(あいつ)から俺を誘うとは、しかもみっちゃんと一緒なんて珍しい・・・。 何企んでやがるんだか。 前に戦車買ってくれとか言ってたが、本気で欲しくなったのか? いや、実用性がないから違うな。 まさか、また俺んとこから駒を取るつもりか。 片桐(かたぎり)新名(にいな)もこれ以上ないって人材なのに、まだ足りねえのか・・・。 「ぱぱぁーっ!」 「みっちゃーん!」 麗彪(よしとら)の運転で、みっちゃんが迎えに来てくれた。 俺の手を引いて、後部座席に乗せてくれる。 みっちゃんは、そのまま俺の隣に座った。 「どこ行くんだい?」 「ご飯だよっ!ちゅーか!」 ホテルの中華レストランに行き、個室で食事をするらしい。 親子3人水入らずで。 ・・・なんだ、本当に何が目的だ麗彪よ。 席に着き、料理が並べられ、さて何を言われるんだと内心震え上がっていたら・・・。 「麗彪さん、いくよ?せーのっ」 「「ぱぱ、お誕生日、おめでとうっ!」」 みっちゃんの号令で、麗彪とみっちゃんが声を揃えて祝いの言葉をくれた。 そうか、12月21日(今日)は俺の誕生日か。 ・・・麗彪、覚えてたのか? いや、前にみっちゃんに聞かれて教えた事があったな。 主催してくれたのはみっちゃんだろう。 「2人とも、ありがとう。パパ嬉しいよ」 「ぱぱ、ぼくあーんしてあげるっ」 なんだって? ここは天国か? 「あー・・・ん。んー、旨いな。ありがとう、みっちゃん」 「パパ、俺もあーんしてやるよ」 「はは、冗談だろよっちゃん。・・・わ、わかった、わかったからもっと量をかんが・・・んぐ」 可愛いみっちゃんと、乱暴なよっちゃん。 愛する息子たちに挟まれて、旨いもん食って、こりゃ寿命が延びるな。 「みっちゃん、お膝に座ってあーんしてくれ」 「ふふっ、いいよっ」 俺の左膝にちょこんと座り、首にぎゅっと抱き付いてくるみっちゃん。 相変わらず小さくて軽いなあ。 ずっと抱っこしていられる。 「俺も座ってやろうか?」 「なんだいよっちゃん、仕方ないな。ほらおいで」 右膝に座り足を組む麗彪。 重い・・・身長も高校の時に越されたしな。 図体ばかり立派になりやがって、中身はまだまだ子どもだなあ。 「はは、悪くない。いや、いい気分だ」 「ほんと?麗彪さんも座っちゃったのに、ぱぱ力持ちだねぇ」 「いい気分のお礼にヘリ買ってくれよ、パパ」 戦車より実用的かつリアルなおねだりだな。 ・・・仕方ねえ、買ってやるか。

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