204 / 300
⭐︎番外編⭐︎雅彪の誕生日
*[見守りカメラ]と[ニーハイソックスが好き]の間*
【雅彪 side】
『親父、今日暇か?』
「なんだい藪から棒に。いつも忙しいに決まってんだろ」
『美月 と一緒に飯食いに行きたくねぇの?』
「今日は暇で困ってたんだ。こっち来るのか?迎えに行くか?」
麗彪 から、色気はないが魅力的な誘いの電話がきた。
麗彪 から俺を誘うとは、しかもみっちゃんと一緒なんて珍しい・・・。
何企んでやがるんだか。
前に戦車買ってくれとか言ってたが、本気で欲しくなったのか?
いや、実用性がないから違うな。
まさか、また俺んとこから駒を取るつもりか。
片桐 も新名 もこれ以上ないって人材なのに、まだ足りねえのか・・・。
「ぱぱぁーっ!」
「みっちゃーん!」
麗彪 の運転で、みっちゃんが迎えに来てくれた。
俺の手を引いて、後部座席に乗せてくれる。
みっちゃんは、そのまま俺の隣に座った。
「どこ行くんだい?」
「ご飯だよっ!ちゅーか!」
ホテルの中華レストランに行き、個室で食事をするらしい。
親子3人水入らずで。
・・・なんだ、本当に何が目的だ麗彪よ。
席に着き、料理が並べられ、さて何を言われるんだと内心震え上がっていたら・・・。
「麗彪さん、いくよ?せーのっ」
「「ぱぱ、お誕生日、おめでとうっ!」」
みっちゃんの号令で、麗彪とみっちゃんが声を揃えて祝いの言葉をくれた。
そうか、12月21日 は俺の誕生日か。
・・・麗彪、覚えてたのか?
いや、前にみっちゃんに聞かれて教えた事があったな。
主催してくれたのはみっちゃんだろう。
「2人とも、ありがとう。パパ嬉しいよ」
「ぱぱ、ぼくあーんしてあげるっ」
なんだって?
ここは天国か?
「あー・・・ん。んー、旨いな。ありがとう、みっちゃん」
「パパ、俺もあーんしてやるよ」
「はは、冗談だろよっちゃん。・・・わ、わかった、わかったからもっと量をかんが・・・んぐ」
可愛いみっちゃんと、乱暴なよっちゃん。
愛する息子たちに挟まれて、旨いもん食って、こりゃ寿命が延びるな。
「みっちゃん、お膝に座ってあーんしてくれ」
「ふふっ、いいよっ」
俺の左膝にちょこんと座り、首にぎゅっと抱き付いてくるみっちゃん。
相変わらず小さくて軽いなあ。
ずっと抱っこしていられる。
「俺も座ってやろうか?」
「なんだいよっちゃん、仕方ないな。ほらおいで」
右膝に座り足を組む麗彪。
重い・・・身長も高校の時に越されたしな。
図体ばかり立派になりやがって、中身はまだまだ子どもだなあ。
「はは、悪くない。いや、いい気分だ」
「ほんと?麗彪さんも座っちゃったのに、ぱぱ力持ちだねぇ」
「いい気分のお礼にヘリ買ってくれよ、パパ」
戦車より実用的かつリアルなおねだりだな。
・・・仕方ねえ、買ってやるか。
ともだちにシェアしよう!

