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⭐︎番外編⭐︎麗彪の誕生日
*[もお大丈夫]と[移動手段]の間*
俺は期待している。
期待して、明日は1日休みにした。
駿河 と時任 も休みにして今日から2泊3日の旅行に行かせ、片桐 と新名 には親父に振られた仕事を回して送り出し、カンナはいつも通り。
「美月 、まだ寝ないのか?」
「・・・んー、・・・まだー」
去年は忘れてて、当日に言ってもらえなかった。
他のヤツらはみんな、祝ってもらったのに。
「なあ、もう11時50分だぞ。夜更かしし過ぎると時任に叱られる」
「・・・ときとぉさん、・・・いないもん」
今いなくても、帰ってきたら叱られるだろ。
・・・俺が黙ってりゃいいだけか。
「なあ、美月ぃ」
「・・・よしとらさん、・・・いい子にしてて」
はい。
てか、なんでそんな意地でも寝ないぞって姿勢なんだ?
俺は早く寝て、明日の朝あの言葉を言ってもらえんの楽しみにしてんのに。
しかも、さっきからずっと、俺の膝上に座って数学の問題を解き続けてるが、それ今やらなきゃいけないやつか?
そんなんやってたら普通寝るだろ・・・。
仕方なく、美月の肩に顎を乗せ、すらすらと問題を解いていく手元を暫く見ていたら、突然その手が止まった。
美月はペンを置き、俺の膝から下りる。
やっと寝る気になったのか・・・。
「麗彪さん」
「ん?」
俺の前に立った美月が、俺の手を両手でぎゅっと握って、言った。
「25歳のお誕生日おめでとう!生まれてきてくれてありがとう!ぼくに、おいでって言ってくれて、いっしょにいてくれて・・・愛してくれて、ありがと・・・っ・・・大好きっ!!」
笑顔で、後半はその笑顔に涙を浮かべて、大好きと言いながら俺に抱き付いてくる天使。
12時をまわり、日付が8月21日になったと同時に誕生日を祝ってくれた。
誕生日祝ってもらうって、こんなに嬉しいもんなのか・・・。
すげぇ、あったけぇ。
腕の中の美月もあったかいけど、身体の中心からあふれるみたいに温かい。
やべぇ・・・俺泣いてんだけど・・・美月の肩から顔上げらんねぇじゃん・・・。
「いちばん・・・言いたかった・・・麗彪さん・・・お誕生日、おめでと・・・っ」
「・・・ぅん、ありがとな・・・っ・・・愛してるよ・・・美月・・・」
物心ついてから泣いたのなんて初めてなんじゃないか。
美月はほんとに凄ぇな。
「・・・ね、麗彪さん、ちゅーしたい」
「・・・もう少し待ってくれ」
泣いてるとかカッコ悪過ぎて、今の顔はさすがに美月には見せられない・・・。
「待てない。ねえ、顔見せて?ちゅーしよ?」
「・・・意地悪言うなよぉ」
「んふふっ、麗彪さんかわぃ・・・んぅっ」
キスで美月の言葉と視界を遮り、そのまま抱き上げて寝室へ向かう。
さてと、こっから24時間、腕の中の誕生日プレゼントをたっぷり可愛がってやらないとな。
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