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⭐︎番外編⭐︎美月の誕生日
*[もお大丈夫]と[移動手段]の間*
【美月 side】
「「美月「「美月くん「お嬢「美月ちゃん、お誕生日おめでとう!!」」」」」」
目が覚めたら、麗彪 さん、時任 さん、駿河 さん、片桐 さん、新名 さん、カンナさんがベッドのまわりにいて、ぼくのお誕生日をお祝いしてくれた。
今日は8月29日。
ぼくの、17才のお誕生日。
「ふへへ・・・みんな、ありがとっ!」
こないだ、ぱぱのお家 で真ん中バースデーして、プレゼントは先にいっぱいもらっちゃってた。
今日は麗彪さんのお家で、起きてすぐお祝いしてもらって、これからみんなでお出かけする。
お昼ご飯食べてから、ナイトサファリに行くんだって!
「楽しみっ!楽しみっ!」
「わかったから落ち着け。ほら、ばんざい」
ぼくがばんざいすると、麗彪さんがパジャマを脱がしてくれて、Tシャツを着せてくれた。
今日のTシャツは、白くて、前側にピンクでうさぎの顔が描いてあって、その下にピンクでDon't eat me!って書いてある。
食べないで!って意味。
「ナイトサファリ用のTシャツですか?」
片桐さんが麗彪さんに聞いた。
え、これ、ナイトサファリ用?
ナイトサファリって、食べないでって言わないと、食べられちゃうところなの?
「ああ。俺のTシャツも見てみろ」
麗彪さんのは黒くて、前側はなにも描いてない。
背中側を見てみたら、黄色でトラの顔が描いてあって、その下に英文が・・・。
「If you eat my rabbit I'll・・・」
「美月はそこまで」
「ひゃあっ」
全部読み終わる前に、麗彪さんに捕まっちゃった。
もし私のうさぎを食べたら、私は・・・するつもりだって意味だと思うけど、なにするんだろ。
「麗彪さんのうさぎを食べちゃったら、麗彪さんはどうするつもりなの?」
「ないしょ」
ぼく以外のみんなは、最後まで見せてもらってるのに・・・。
「時任さん、なんて書いてあったの?」
「俺は英語苦手だから」
「駿河さんっ」
「えーっと、俺も読めません〜」
「片桐さんは?」
「すみません、私も読めません」
「新名さん・・・」
「俺も賢くないので。すみません、お嬢」
「カンナさんは読めるよね?お医者さんだもん!読んでっ!お願いっ!」
カンナさんはちょっと考えてから、教えてくれた。
「ええと・・・I'll get angry!・・・怒っちゃうわよ!って書いてあるのよ」
「そっかぁ」
そおだよね、うさぎ食べられちゃったら怒るよね。
だから食べないでねって事なんだね。
「(I'll kill you!って・・・殺すなんて言葉、美月ちゃんに教えらんないわよっ!)」
「(だから今日は美月を俺の後ろに立たせんな)」
カンナさんと麗彪さんが、小さい声でなにかお話ししてる。
なあに?
ないしょのお話し?
「どおしたの?」
「いや・・・今日の昼飯にパプリカ入ってたら代わりに食ってくれって頼んだんだ」
「あたしは麗彪くんみたいに好き嫌いしないからっ」
そおなんだ。
麗彪さん、ぼくに言ってくれたら良かったのにぃ・・・。
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