210 / 300
合宿ごっこ
【美月 side】
「美月ちゃぁん!」
「綾 ちゃん・・・?綾ちゃんだあっ!」
ぱぱに呼ばれた麗彪 さんが、綾ちゃんといっしょに帰ってきた。
なんで?
どおして?
「どおやって来たの?魔法?」
「せやでぇ、魔法使 て空飛んで来たんや。美月ちゃんと遊びとぉてな。お泊まりもするでぇ!美月ちゃん一緒に寝よな!」
「お前は新名 んとこ泊まれ。美月、綾は仕事だから遊べないぞ。バイバイしような」
え、もおばいばいなの?
来たばっかなのに・・・。
「今日は動かれへん。せやから美月ちゃんと遊ぶぅ!俺なぁ、鬼ごっこの鬼役やねん。明日頑張ってみぃんな捕まえるから、今日は美月ちゃんと遊んでぇ、明後日からもまた遊ぶぅ!」
「ほんとぉ?遊ぼお!」
「・・・おい、明後日からもって言ったか?なあ、いつまで居るつもりだ?なあ!?」
麗彪さんが綾ちゃんにいつまでいるのかって、しつこく聞いてる。
綾ちゃんは笑ってるだけで、教えてあげないみたいだけど。
お家 には、ぼくと片桐 さんと新名 さんでお留守番してて、駿河 さんと時任 さんはお仕事してからお買い物して帰ってくるって言ってた。
玄関までぼくといっしょにお迎えに行った新名さんもびっくりしてたけど、リビングで待ってた片桐さんもびっくりしてる。
綾ちゃん、魔法で来たんだよ?
すごいよね!
「新名、綾 お前の部屋に泊めてやってくれ」
「・・・え」
「いややぁ、美月ちゃんと寝るぅ。あ、寂しいんなら、よっちゃんも一緒でええよ?俺は気にせぇへん」
「いえ、綾さん、是非俺の部屋を使ってください。俺はここのソファで寝るので」
あれ、新名さんのお部屋に綾ちゃんが泊まって、新名さんはリビングのソファで寝るの?
でも、ソファじゃ寝にくくない?
「じゃあ、新名さんとぼくと麗彪さんで寝る?ベッド大きいから入れるよ?」
「はい、お嬢と寝ます!」
「美月、新名はソファで寝かせてやれ。こいつはソファで寝るの好きなんだ。特別に美月のブランケット貸してやったら喜ぶぞ」
ソファで寝るのが好き?
それ、ほんと?
麗彪さんてば、嘘ついてない?
「よっちゃん、意地悪言うなやぁ。ほな、みぃんな一緒に寝よか?昔みたいに」
綾ちゃんが話してくれた。
麗彪さんたちがまだ小学生の時に、綾ちゃんがお泊まりに来て、みんないっしょの部屋でゲームして遊んで、そのまま寝ちゃったんだって。
お部屋にお布団いっぱい敷いて、ごろごろして好きなとこで寝たんだって。
ぼくもそれ、したい!
みんなでごろごろ遊んで、いっしょに寝たい!
「ほな合宿ごっこしよか!晩飯食ったらソファどかして布団敷こ!」
「がっしゅく?」
合宿・・・ある共通の目的(練習、研修、勉強など)のために、一定期間同じ場所に宿泊して生活をともにすること・・・だって。
それって・・・。
「ぼく、いつも麗彪さんたちと合宿してる?」
「ん?違うぞ。美月は俺とここに住んでるんだろ」
あ、そっか。
一定期間だから合宿で、ぼくは麗彪さんとずっといっしょだから、合宿じゃないんだ。
「じゃあ、綾ちゃんいる間は、合宿だね」
「せやな。仲良ぉしよな!で、何して遊ぶ?」
それから、いろんなゲームとかおもちゃとか出して、リビングでみんなで遊んだ。
綾ちゃんがお菓子持ってきてて、それもテーブルに全部出して。
駿河さんと時任さんが帰ってきて、駿河さんは綾ちゃんいるのにびっくりしてたけど、時任さんはお部屋が散らかってるのを怒ってた。
綾ちゃんとごめんなさいして、時任さんと片桐さんがお片付けして、でもまた散らかしちゃって・・・。
夜ご飯の時間まで、遊んだり怒られたりしながら、いっぱい楽しかった!
ともだちにシェアしよう!

