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ドライブ
【美月 side】
今日からまた、麗彪 さんがお仕事に行く。
12月になって、また年末に向けて忙しくなるんだって。
スーツに着替えてる麗彪さんを見ながら、ぼくは麗彪さんが脱いだパーカーを着ちゃう。
「今日、美月も出かけるんだろ?着替えないのか?」
「うん。これ着てっちゃだめ?」
「いいよ。上にコート着るんだぞ」
「はぁい!」
ぼくの今日の予定は、片桐 さんと新名 さんと3人でドライブ。
片桐さんの新しい車で行くの。
みんなでお出かけする用の大きい車も新しくしたけど、もう少し小さくて可愛いのも買ったんだって。
「先に行くからな。外では片桐と新名と手ぇ繋げよ。寒かったら無理しないですぐ帰ってこい。あと走るな、怪我するから。それから・・・」
「はいはい心配なのはわかりますけど、既に遅れてるんで行きますよ〜」
駿河 さんが麗彪さんを玄関に引っ張ってく。
え、遅れてるの?
たいへん!
「美月、兎ポシェットにタオルとティッシュと除菌シート入れといたから、ちゃんと持ってけよ」
時任 さんが、お誕生日プレゼントにもらったウサギポシェットを渡してくれる。
はい、ちゃんと持って行きます!
玄関まで付いてって、麗彪さんにぎゅってされながらキスして、お見送りした。
麗彪さんがいなくなったら、すぐ、寂しくなっちゃうけど、今日はお出かけだもん。
片桐さんと新名さんと、手を繋いでお出かけ!
「お嬢、コート着てください」
「はぁい」
「マフラーは・・・車の中だと暑いでしょうから、私が持って行きますね。外に出る時にしましょう」
「うんっ」
ぼくたちも支度して、お家 を出る。
駐車場に行ったら、片桐さんの新しい車が・・・。
「かわいい!」
ライトがまるくて、色は綺麗な深緑、ミラーと天井のとこは黒。
なんか、おしゃれな感じ!
ミニクーパーだって。
片桐さんが運転席、ぼくは新名さんと後ろの席に座った。
前、駿河さんに「車に乗る時は、2人きりなら助手席でもいいけど、他にも誰か乗るなら運転席の後ろに座ってね〜」って言われたから。
なんで運転席の後ろなんだろ。
片桐さんが運転してるとこ、見たい・・・。
「お嬢、シートベルトしますね」
「ありがと」
「では、出発しますよ」
「「しゅっぱあーつ!」」
新しい車でドライブ、楽しい!
途中でレストラン行って、ハンバーグ食べて、また車乗って、初めて行く大きな公園をお散歩して・・・。
知らないとこ、いっぱいドライブした。
公園から車に乗って走ってたら夕方になってきて、気付いたら窓の外の景色が見た事あるとこになってる。
「あっ、あそこ、お買い物に行ったとこ!」
「そうですね。もうすぐ、マンションに着きますよ」
もうすぐ、お家に着くんだ。
知らないとこ行くのもわくわくするけど、お家に近付いてるってわかるのも、嬉しい気持ちになる。
ぼく、麗彪さんと、みんなと住んでるお家、大好き!
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