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イチゴ味
【美月 side】
どおしよ、麗彪 さんは大丈夫って言うけど、本当にいいのかな・・・。
こんな事して、怒られないのかな・・・。
だって、こんな・・・すごい・・・。
「イチゴ狩りすごおいっ!!」
「そんなに感動してくれるとは思わなかった」
大きくて広いビニールハウス。
ずらーっと棚が並んでて、全部にイチゴが植ってる。
棚の間を歩いて、好きなイチゴを採って、そのまま食べていいんだって。
ここも夢の国だぁ・・・。
「お嬢、これなんてどうですか?真っ赤で大きくて絶対美味しいですよ」
新名 さんが見つけてくれたイチゴをぷちっと採って食べる。
ひと口で食べられないくらい大きくて、じゅわっと甘くて・・・美味しい・・・っ!
「列毎 に品種が違うんだな」
「1つずつ採って食べ比べよ〜」
時任 さんと駿河 さんは、全種類を食べ比べするみたい。
ぼくもやろうかな。
「美月くんが好きな品種はこの列と向こうの列ですよ。あっちの列の品種はまだ食べた事がなかったはずです」
片桐 さん、ぼくがどの種類のイチゴ食べた事ないかも知ってたの?
ぼく、イチゴにこんなに種類があるってゆうのも知らなかったよ。
「美月ちゃん、蜂さんには近付いちゃだめよ?大人しい種類だけど、刺されたら大変だから」
カンナさんが教えてくれた。
イチゴを作るのに、ミツバチをビニールハウスの中で飼ってるんだって。
理科の勉強した時に習った、受粉にミツバチが必要なんだ。
「なんこ食べた?」
「28個目です」
「練乳もありますよ〜」
「どれも甘いから需要がないわね」
「お嬢、量より質です」
「美月、手が苺味になってるぞ」
「美月のポシェットにウェットティッシュ入れてありますから舐めるのやめてください」
ぼくたちがいるビニールハウスは今日、貸し切りなんだって。
全部食べてもいいって、麗彪さんが言ってた。
みんなで食べたら全部食べられるかもって思ったけど・・・。
「あれ、この列の食べたくしたと思ったのに、まだいっぱいある」
「あっちの列は手付かずだぞ」
ど、どおしよ、イチゴなくならない・・・。
「美月ちゃん、さすがに7人でここの苺を食べ尽くすのは無理よぉ。美味しいトコだけ摘んで食べましょ」
そっか、みんなで食べてもムリなんだ・・・。
イチゴすごい・・・!
「んふー・・・食べ過ぎちゃったぁー・・・」
ぼく、37個もイチゴ食べちゃった。
もお、イチゴいらない・・・明後日まで・・・。
「優勝は〜?」
「時任くんの108個」
「煩悩か?」
手に持ってたパックにイチゴのへたを入れてたんだけど、それが1番多かったのが時任さん。
108個もイチゴ食べたんだ・・・凄い!
ぼくも100個こえたかったぁ。
「美月、手も舌も頬っぺたも苺味になってんぞ」
「んふ。麗彪さんもイチゴ味になってるよぉ」
イチゴ狩り、美味しくて楽しかった。
また来たいなぁ・・・来週とか・・・。
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