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待ち合わせ
【美月 side】
白のふわふわニット、チャコールグレーのコーデュロイパンツ、ピンクのツイードのチェスターコートを着て、白いもふもふポシェットを肩から斜めにかける。
カンナさんのお部屋で着替えてから、ぼくはひとりでお外にでた。
今日はやってみたかった、麗彪 さんとお外で待ち合わせして映画デートに行く!
前にひとりでお外出た時は、屋上に行って麗彪さんに心配かけちゃったけど、今日はちゃんと約束してるから大丈夫。
マンションから出て、待ち合わせしてる公園に向かった。
前に新名 さんと、肉まんとピザまんを半分こしながら食べたとこ。
ひとりでお外歩くの、どきどきするな。
走っちゃだめって言われてるから、ちゃんと歩いてるけど、早く麗彪さんに会いたくて走りたくなっちゃう。
・・・早歩きなら、いいかな。
「・・・あっ」
麗彪さん、いた!
左手をコートのポケットに入れて、右手に持ったケータイの画面見てる。
立って待ってるだけなのに、かっこいい・・・っ!
「麗彪さんっ、お待たせっ!」
「美月、走ると危ないぞ」
頑張って我慢して歩いてたのに、麗彪さんが顔を上げて目が合ったら、思わず走っちゃった。
そのまま麗彪さんに抱き付いて、ぎゅってしてもらう。
「えへ。待ち合わせ嬉しくて、麗彪さんかっこよくて走っちゃった」
「そんな可愛くてよくここまで無事に歩いてこれたな」
麗彪さんはそう言って、ちゅってキスしてくれた。
いつもコンビニデートで歩いてるとこだし、危なくないよ?
それに、ぼく、知ってるからね。
麗彪さんが、時任 さんと片桐 さんに、待ち合わせ場所まで危なくないよおにしてって言ってたの。
「麗彪さん、さっきみたいにポケットに手、入れて?」
「ん?こうか?」
麗彪さんが、黒いコートのポケットに手を入れる。
ぼくは、その腕にぎゅってくっついて、腕を組んだ。
手を繋いで歩くのも好きだけど、これもやってみたかったの。
「可愛過ぎか」
「デートはこうするって、駿河 さんに教えてもらったんだよ?麗彪さん、放さないからねっ」
「最高か」
麗彪さんと腕を組んで、映画館まで歩く。
すれ違う人が見てくるの、麗彪さんがかっこいいからかな。
だめだよ、ぼくの麗彪さんだからね。
見てても絶対あげないもんっ!
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