234 / 300

おきつね村

美月(みつき)side】 今日は新名(にいな)さんとお出かけ。 「おはよ、新名さんっ」 「おはようございます、お嬢」 新名さん、最近ずっとお仕事忙しくて、お家にいなかった。 昨日の夕方くらいに帰ってきて、お風呂に入ってから上の部屋にきて、夜ご飯をいっしょに食べた。 また、恐い事あったみたいだったから心配で、麗彪さんたちは今日朝早くからお仕事行くって言ってたから、ぼくは新名さんのお部屋にお泊まりしたんだ。 「少し寝坊しちゃいましたね」 「お休みの日は寝坊してもいいんだよ?朝ご飯、ぼく作るね。新名さん、もおちょっと寝る?」 「いえ、お嬢と一緒に朝ご飯作りたいです」 新名さんと朝ご飯作って食べて、着替えてから、新名さんの車でお出かけする事にした。 「だいじょぶ?疲れてない?」 「一晩中お嬢に癒してもらったので元気です!9時間も寝ましたし」 「あはっ、寝過ぎちゃったぁ」 新名さん、よく寝てたよね。 ぼく、途中でちょっと起きちゃったんだけど、新名さんはぼくの事ずっと抱きしめてくれてた。 なんか、寝てる間も守ってくれてるみたいに。 「起きてる時は、ぼくが守るからねっ」 「お嬢・・・ありがとうございます」 新名さんの、にこーって笑顔、好きだよ。 車で、2時間くらい。 到着したのは・・・。 「す・・・・・・っごい!!」 おきつね村! 森の中にあって、広い敷地内にキツネさんがいーっぱい放し飼いになってる。 みんな、もっふもふ・・・。 「新名さん新名さんっ!」 「お嬢、手を放さないでくださいね。あと、狐に手を出さないでください、噛まれたら大変ですから」 「はぁいっ!」 さっき、飼育員の人からも注意事項を聞いた。 決まった通路を歩いて、座らないでくださいって。 キツネさんにイタズラされちゃうからって。 「あっ!新名さん新名さんっ!」 「なんです?」 「付いてきてるよぉ!可愛いっ!」 歩いてるぼくたちの後ろ、もっふもふのキツネさんが付いてきてる。 いっしょにお散歩してるみたい! 「いっぱいいる・・・あそこ、くるんって丸くなって寝てるよ!毛色も、いろんなのいるね!」 「そうですね。お嬢はどの毛色が好きですか?」 「ええ・・・とぉ・・・」 茶色いこ、茶色くて手足としっぽが真っ黒のこ、灰色のこ、白っぽい茶色のこ、真っ白のこ・・・。 「あのこ!」 全身が黒っぽくて、しっぽの先だけ白いこ。 カッコいい! ・・・新名さんに似てる。 「あの毛色は・・・ギンギツネですね」 「黒なのに?あっちの灰色のこは?」 「プラチナだそうです」 もっふもふのキツネさんたち。 近くにいるのに、触れないのちょっと残念。 でも、みんな走ったり寝たり付いてきたり、自由にしてて、いいなって思った・・・けど。 「ふおぉ・・・っ」 抱っこ体験! 本物のキツネさんを抱っこ・・・もっふもふだぁ・・・。 「本物のまどかだぁ・・・!」 「お嬢、俺はここに・・・あ、ぬいぐるみの真叶(まどか)ですね」 新名さんといっしょにキツネさん抱っこした写真撮ってもらって、お土産屋さんも見て。 お皿に山盛りのお稲荷さんが、1個だけキツネさんになってる絵のパーカーが可愛くて、新名さんとお揃いで買ってもらっちゃった。 今度、このパーカーいっしょに着て、またお出かけしよおね!

ともだちにシェアしよう!