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おきつね村
【美月 side】
今日は新名 さんとお出かけ。
「おはよ、新名さんっ」
「おはようございます、お嬢」
新名さん、最近ずっとお仕事忙しくて、お家にいなかった。
昨日の夕方くらいに帰ってきて、お風呂に入ってから上の部屋にきて、夜ご飯をいっしょに食べた。
また、恐い事あったみたいだったから心配で、麗彪さんたちは今日朝早くからお仕事行くって言ってたから、ぼくは新名さんのお部屋にお泊まりしたんだ。
「少し寝坊しちゃいましたね」
「お休みの日は寝坊してもいいんだよ?朝ご飯、ぼく作るね。新名さん、もおちょっと寝る?」
「いえ、お嬢と一緒に朝ご飯作りたいです」
新名さんと朝ご飯作って食べて、着替えてから、新名さんの車でお出かけする事にした。
「だいじょぶ?疲れてない?」
「一晩中お嬢に癒してもらったので元気です!9時間も寝ましたし」
「あはっ、寝過ぎちゃったぁ」
新名さん、よく寝てたよね。
ぼく、途中でちょっと起きちゃったんだけど、新名さんはぼくの事ずっと抱きしめてくれてた。
なんか、寝てる間も守ってくれてるみたいに。
「起きてる時は、ぼくが守るからねっ」
「お嬢・・・ありがとうございます」
新名さんの、にこーって笑顔、好きだよ。
車で、2時間くらい。
到着したのは・・・。
「す・・・・・・っごい!!」
おきつね村!
森の中にあって、広い敷地内にキツネさんがいーっぱい放し飼いになってる。
みんな、もっふもふ・・・。
「新名さん新名さんっ!」
「お嬢、手を放さないでくださいね。あと、狐に手を出さないでください、噛まれたら大変ですから」
「はぁいっ!」
さっき、飼育員の人からも注意事項を聞いた。
決まった通路を歩いて、座らないでくださいって。
キツネさんにイタズラされちゃうからって。
「あっ!新名さん新名さんっ!」
「なんです?」
「付いてきてるよぉ!可愛いっ!」
歩いてるぼくたちの後ろ、もっふもふのキツネさんが付いてきてる。
いっしょにお散歩してるみたい!
「いっぱいいる・・・あそこ、くるんって丸くなって寝てるよ!毛色も、いろんなのいるね!」
「そうですね。お嬢はどの毛色が好きですか?」
「ええ・・・とぉ・・・」
茶色いこ、茶色くて手足としっぽが真っ黒のこ、灰色のこ、白っぽい茶色のこ、真っ白のこ・・・。
「あのこ!」
全身が黒っぽくて、しっぽの先だけ白いこ。
カッコいい!
・・・新名さんに似てる。
「あの毛色は・・・ギンギツネですね」
「黒なのに?あっちの灰色のこは?」
「プラチナだそうです」
もっふもふのキツネさんたち。
近くにいるのに、触れないのちょっと残念。
でも、みんな走ったり寝たり付いてきたり、自由にしてて、いいなって思った・・・けど。
「ふおぉ・・・っ」
抱っこ体験!
本物のキツネさんを抱っこ・・・もっふもふだぁ・・・。
「本物のまどかだぁ・・・!」
「お嬢、俺はここに・・・あ、ぬいぐるみの真叶 ですね」
新名さんといっしょにキツネさん抱っこした写真撮ってもらって、お土産屋さんも見て。
お皿に山盛りのお稲荷さんが、1個だけキツネさんになってる絵のパーカーが可愛くて、新名さんとお揃いで買ってもらっちゃった。
今度、このパーカーいっしょに着て、またお出かけしよおね!
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