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会社ごっこ
【美月 side】
今日は会社ごっこの日!
ぼく、事務員役するんだ。
ぼくはカンナさんとお揃いの黒いタイトスカートと、白いブラウスにピンクのカーディガン。
カンナさんはラベンダー色のカーディガンで、ぼくもカンナさんもメガネしてる。
お仕事出来る感じする・・・っ!
「社長、コーヒーをどおぞ」
「ありがとう、美月くん。ずっと座り仕事で疲れてないか?腰を揉んであげよう・・・」
「社長、セクハラです。あとそこは腰でなくお尻です」
社長役の麗彪 さんにコーヒー持ってったら、お尻撫でなでされた。
駿河 さんがにこにこしながら、べしって麗彪さんの手を叩いてる。
せくはらってなんだろ?
「美月さん、こっちで書類のファイリングを手伝ってもらえますか?」
「はぁい」
新名 さんに呼ばれて、お仕事に戻る。
言われた通り、難しい事が書いてある紙をファイルに綴じてくんだけど・・・これ、ほんとのお仕事の紙みたい。
読んでもわかんない事ばっか書いてある・・・。
新名さんとカンナさんは、席に座ってパソコンをぱちぱち。
いいな、あれぼくもやりたい。
何を入力してるのかなって気になったけど、勝手に見ちゃだめって思うから我慢・・・あれ?
ちらっと見えちゃったけど、カンナさんのパソコンの画面、お洋服とか靴とか鞄とかばっか見えた気が・・・。
「社長、クライアントがお見えになりました」
「わかった」
お客さんが来たみたい。
ぼくは席に座って、お仕事してるフリ。
カンナさんがご案内して、麗彪さんと駿河さんとお客さんは別のお部屋に行った。
「新名さん、ぼくちゃんと出来てた?」
「はい、完璧です」
「じゃあ美月ちゃん、にゃんくろ便さんが来たら、社長たちのいるお部屋の前まで案内してあげて?」
「はぁい!」
少ししたら、時任 さんと片桐 さんが来た。
黒い半袖のポロシャツ、黒いズボン、黒いキャップに黒い手袋・・・にゃんくろ便の人の服着てる・・・かっこいい!
「お荷物、受け取りに参りました」
「ご、ご苦労さまですっ、ご案内しますっ」
「ありがとうございます」
にゃんくろ便の時任さんと片桐さんをご案内して、また席に戻る。
2人が荷物を運んでったら、会社ごっこは終わりって言ってたけど、荷物の中身ってなんだろ。
「美月くん、ちょっと確認したい事があるから資料室に来てくれないか?」
「ふぇ?は、はい、社長・・・」
麗彪さんがお部屋から出てきて、おいでってしてる。
ぼくが行こうとしたら、駿河さんが慌てて出てきた。
「ちょっと!美月くんのナニを確認するつもりですかセクハラ社長!」
また、せくはら?
新名さんがパソコンぱちぱちってして、せくはらを調べてくれた。
セクハラ・・・相手の意に反する性的な言動によって、相手に不利益を与えたり、職場環境を不快なものにしたりする行為、相手が不快に感じることが重要な判断基準・・・。
「ぼく、やじゃないから、セクハラじゃないです?」
「良かった、じゃあおいで」
「ああ・・・美月くんが変態社長の餌食に・・・」
「美月ちゃん、嫌がらなきゃダメなやつよ、あれは」
「資料室なんて密室・・・行ったらナニされるか・・・美月さん、あれは付いて行っちゃいけない大人です」
お部屋の前で揉めてたら、にゃんくろ便さんたちが大きくて頑丈そうな箱を持って出てきた。
重そお・・・何が入ってるのかな・・・。
「何やってるんですか。集荷完了したので、俺たちは倉庫に行きますよ」
「ああ、ご苦労さん」
「では、失礼いたします」
おっきくて重たい荷物運んでるにゃんくろ便さん・・・かっこいいなぁ。
・・・あれ?
にゃんくろ便さんが出てったお部屋、誰もいない?
お客さん、どこ行っちゃったんだろ。
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