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余計な事
【美月 side】
ぱぱのお家 で真ん中バースデーして、いっぱい食べてプレゼント開けて、手錠外れなくなっちゃってカギ探しして、新しい車もらったからお家の中で走らせて遊んでる。
黒いポルシェ、かっこいい!
「うん?お嬢ちゃん誰だ?」
「ふぇ?」
玄関の方まで来たら、知らない人が入ってきた。
スーツ着てるけど、ネクタイはしてない。
ちょっと恐そうな人・・・。
「・・・あ、もしかして若の嫁さんか?こんな子供だったとはな。犯罪じゃねえか・・・って今更か」
ぼく、子供じゃない。
「もおすぐ18歳です。大人です」
「はあ?それで?どう見ても小学生だろ」
「違いますっ!大人ですっ!」
「美月?」
麗彪 さんが来てくれた。
この人、失礼なの!
「あ?莎草 か。報告に来たのか?」
「ええ。ご結婚おめでとうございます。若が幼女趣味だったとは知りませんでした」
「煩 ぇ。美月だから嫁にしたんだ。他の幼女に興味はねぇ」
麗彪さんがぼくとポルシェを抱っこして、麗彪さんのお部屋に行く。
さっきの、ささめさん?
なんの人?
報告に来たって、なんの?
「美月、ちょっとここで待っててくれ」
「うん」
「莎草と話したらすぐ戻る。そしたら庭で水遊びしよう」
「うんっ!」
麗彪さんがお部屋出てった。
ささめさんがなんの人なのか、聞けなかったな・・・。
でも、お話終わったら水遊びするって。
楽しみだなぁ。
・・・あ、その前におトイレ行こ。
お部屋を出ておトイレに向かったら、廊下でまた、ささめさんに会った。
「お、また会ったな、小学生」
「違いますっ!あと4日で18歳の大人ですっ!」
「大人ねえ」
・・・なんだろ、この人、ちょっとやだ・・・かも。
「ささめさんは、なんの人ですか?」
「なんの人?警察の人だぞ」
「警察・・・?」
悪い人、捕まえる人?
手錠とか、銃とか、持ってる?
「銃持ってる?」
「その発想がやっぱ小学生だな。非番だから持ってねえよ。それより、榊家 に警察 がいる事には驚かねえの?」
「どおして?」
麗彪さんは、ささめさんの事知ってるみたいだったし、お家に入ってきても怒らなかった。
じゃあ、いてもいいんじゃないの?
「どうしてって・・・なんだ、俺の事聞いてたのか」
「知らないよ?」
「は?なら極道 の家に警察 が普通にいんの不思議に思えよ」
「やくざ・・・?」
それって・・・。
「莎草!余計な事言うんじゃねぇ!」
麗彪さんがぼくをぎゅってして、ささめさんに怒った。
ささめさん、ちょっと慌ててるみたい。
「言ってなかったんですか?」
「黙れ。先に親父んとこ行ってろ」
ささめさんが行っちゃって、ぼくはまた麗彪さんに抱っこされて麗彪さんのお部屋に連れてかれる。
麗彪さん、怒ってる?
違う、困ってる?
なんで、恐がってるの?
ぼく、聞いちゃいけなかった?
大丈夫だよ、麗彪さんが嫌なら、ぼく聞かないし、聞いた事もちゃんと忘れるから。
大丈夫だよ・・・。
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