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縛り付きしりとり

美月(みつき)side】 明日はぼくのお誕生日。 みんなで、海の前のプライベートヴィラに、お泊まりに行くんだって。 「海の水飲む!」 「ちょっと舐めるだけな」 「時任(おかん)〜、日焼け止め入れたっけ〜?」 「水着と一緒に入れて先に車に積んだ」 「車2台で行くんですよね?お嬢と一緒がいいです」 「公平にくじ引きですよ」 「くじ用意したよぉ。美月ちゃんから引いて?」 時任(ときとう)さんと片桐(かたぎり)さんの車に別れて行くんだって。 環流(めぐる)さんが持ってきてくれたのは、くじじゃなくてプチシュー。 これで、どっちの車乗るか決めるの? 「バナナ味の人は時任の車、イチゴ味の人は片桐の車ね」 「それ、美月が先にやると、美月と同じ味を嘘申告する狐が出ないか?」 「じゃあ新名(キツネ)から引けばいいじゃん」 新名(にいな)さんがぱくり。 「イチゴ味です」 新名さんは片桐さんの車だね。 次は麗彪(よしとら)さんがぱくり。 「苺」 麗彪さんも片桐さんの車だ。 次に駿河(するが)さんがぱくり。 「・・・え・・・っと、その・・・苺味です・・・」 「「何でだよ!!」」 麗彪さんと新名さん、駿河さんは仲良く片桐さんの車ね。 ぼくと環流さんは、いっしょに仲良くバナナ味のプチシューを食べて、時任さんの車に決定。 「よりによって人数多い方、()つ美月がいないなんて・・・」 「帰りは絶対お嬢と一緒がいい・・・」 「片桐、なんとかして〜」 「喧嘩だけはしないでくださいね」 あっち、大丈夫かな。 仲良くしてね? 「あ、美月ちゃん、車でDVD観る?」 「だめだ、酔う。縛り付きしりとりにしろ」 「じゃあ・・・美味しいものっ!」 こっちは、美味しいもの縛りでしりとりしながら行く事にした。 麗彪さんたちと別々に車に乗って、出発! しりとりは、ぼくから。 「いちごっ」 「五目焼きそば」 「バナナ」 「美味(うま)くねぇ」 「んふふっ。な・・・な、なるとっ」 「トンテキ」 「きなこもち」 「ち・・・ち・・・チャーハン!・・・あっ」 失敗しちゃった。 もお1回。 「チーズっ」 「・・・・・・ず?」 時任さん、ずから始まる美味しいもの、思い浮かばないみたい。 ヒントあげよ。 「緑のだよ。飲んだ事あるよ」 「・・・ずんだシェイクか?あれ美味(うま)いか?」 「「美味しいよぉ」」 「えー」 「じゃあ次俺ね。く・・・クレープ」 「ぷ?・・・ぷ、ぷ、ぷ、ぷ・・・りん・・・あっ!アラモード!」 「美月ちゃんナイスリカバー」 「どんぶり」 「それじゃ食器だろ」 「食べられないねぇ」 「じゃあ丼もの」 「括りがデカい。何丼?」 環流さんに指摘されて時任さんが言い直したけど、それでもだめだったみたい。 なに丼がいいかなぁ・・・。 「ぼく親子丼が好きぃ」 「天丼」 「俺は海鮮丼かなぁ」 ・・・あれ、しりとりじゃなくなっちゃった。 それから、お泊まりするとこ着くまで、3人で好きな食べ物の話してた。

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