269 / 300

⭐︎番外編⭐︎新名さん観察日記

美月(みつき)side】 「お嬢が俺を観察、ですか?」 「うん。嫌?」 「嫌じゃありません、嬉しいです!」 新名(にいな)さんが嫌じゃないって言ってくれたので、今日は新名さんの観察日記を書く。 今日も笑顔がキツネさんに似てる・・・っと。 「これからお使いに行くんですが、それも観察します?」 「もちろん!」 時任(ときとう)さんからお買い物リストをもらって、新名さんの車でお買い物。 夜ご飯は夏野菜カレーだって。 とり肉、玉ねぎ、ナス、オクラ、トマト・・・あれ? パプリカって書いた上にバツしてある。 このバツ、もしかして・・・。 「麗彪(よしとら)さんに落書きされちゃいましたね」 「やっぱり。麗彪さんのパプリカはぼくが食べてあげるから、パプリカも買ってこ?」 「はい」 お買い物カートにカゴを乗せてカートを押すんだけど、ぼくがやるとカートがまっすぐ進まない。 だから新名さんに押してもらうんだけど、ぼくも押したくて、それで考えた方法がある。 カートと新名さんの間にぼくが立って、カート持ってる新名さんの手の上に手を置く。 これで、ぼくもいっしょにカートが押せるんだよ! 「あっ、玉ねぎ」 「・・・・・・これにしましょう」 新名さんが良さそうな玉ねぎを選んだ。 時任さんもよく、お野菜とかお肉を良く見てからカゴに入れるけど、新名さんのは「狐の勘だ」って麗彪さんが言ってた。 玉ねぎを狐の勘で選ぶ・・・っと。 「お嬢、わざわざ日記帳持ってきてたんですね」 「うん!」 ナスとオクラとトマトも、新名さんが狐の勘で選んで、パプリカはぼくが選んでみた。 「うーん・・・これとこれがピカピカ!」 「さすがお嬢、お目が高い」 後はとり肉・・・なんだけど、見てもどれがいいのかわかんない。 「・・・・・・これが良さそうですね」 いっぱい並んでる中から、新名さんがまた狐の勘で選んだ。 狐の勘、すごい能力・・・っと。 これでリストにある物は全部だけど・・・あれ? 「カレーなのにルーは買わないの?」 「そう言われてみれば書いてないですね。家にあるのかも・・・・・・いや、恐らく書き忘れですね。買って行きましょう」 今のもたぶん、新名さんの狐の勘だ。 狐の勘、ほんとにすごいのうりょ・・・あ、そおだ! 前に麗彪さんが、新名さんの事「予知能力者」って言ってた。 やっぱり新名さんは、すごい人だ・・・っと。 「ルーは甘口にしましょう」 「え、中辛にしよ?ぼく大人になったもん!」 「・・・そうですね。そうだ、カボチャも入れましょう。カボチャが入った方がさらに美味しいです」 ぼく、この時は気付いてなかったけど、夜ご飯になって中辛のカレー食べた時にわかった。 やっぱり新名さんはすごい!! カボチャ入ってて良かったぁ・・・中辛、思ってたより辛かったよぉ・・・。

ともだちにシェアしよう!