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⭐︎番外編⭐︎ぱぱ観察日記

美月(みつき)side】 「観察日記?」 「うん。ぱぱの観察してもいい?」 「いいとも」 今日はぱぱのお(うち)に遊びに来た。 だからぱぱの観察日記を書くんだ! 着物着てるぱぱ、かっこいい・・・っと。 「どこ行くのぉ?」 「書斎だよ」 日記帳とペンを持って、ぱぱの後ろを付いてく。 ぱぱは時々振り返って、にこにこ。 ぱぱの書斎は本がいっぱい。 全部難しいのばっかりだ・・・。 「本読むの?」 「そうだなあ、みっちゃんいるし、今日は読むのやめようかな。あ、この本、みっちゃんにあげようと思ってたんだった」 「いいの?ありがと、ぱぱ!」 綺麗な表紙の少し大きな本・・・ドラゴンの表紙だ! やったぁ! ぱぱが書斎を出て、ぼくも付いてく。 ぱぱがくれた本は、新名(にいな)さんがお部屋に持って行ってくれた。 「あ、みんな集まって来たぁ」 お庭の前にぱぱが来ると、桜鬼(おうき)たちが集まって来る。 麗彪(よしとら)さんが、ぱぱがボスだからって言ってた。 ボスって言葉調べたら、組織の長やリーダー格の人物、だって。 お家で1番偉いのぱぱだもんね。 「ぱぱは、1番偉いみんなのボス・・・っと」 「はは、ボスかあ。・・・ん?榊家(うち)で1番偉いのはみっちゃんだぞ?みっちゃんがぱぱのボスだからな」 「えっ?」 ぼく、ボスなの? なんで・・・? 「じゃあ庭に下りてみようか。桜鬼たちがどっちに付いてくか見れば、わかるよ」 「そおなの?」 ぱぱといっしょにお庭に出て、ぱぱからちょっと離れてみた。 そしたら、桜鬼たちがぼくの方に付いてくる。 え、なんで? 「ほおら、みっちゃんがボスだ」 「ぼ、ぼく、ボスなの?知らなかった!」 ぼく、神様でボスなの? なんか、どんどんすごくなってくけど、ぼくそんなすごくないよ? 「鯉に餌やるかい?」 「うんっ!」 藤堂(とうどう)さんがコイのご飯持ってきてくれて、ぱぱといっしょにあげる。 いっぱいあげると、ばちゃばちゃばちゃって大変な事になっちゃうから、ちょっとずつ。 「金色と、銀色のもいるね」 「光無地の山吹とプラチナだな。鱗に黒が入ってるのが金松葉と銀松葉だ」 「それ、この子たちの名前?」 「種類だよ」 やまぶきとプラチナ、きんまつばとぎんまつば・・・ぱぱはコイの種類に詳しい・・・っと。 「みっちゃんも金魚飼ってるんだったな」 「うん!動画撮ったのあるよ、見る?」 「おう、見るみる」 ぱぱと並んで縁側に座って、スマホの画面をいっしょに見る。 お祭りですくった金魚、みんなちょっと大きくなったんだよ。 水槽も、片桐(かたぎり)さんが少し大きいのに変えてくれたんだ。 「綺麗な琉金だな。全部赤いのが素赤、紅白のが更紗、黒が混じってるのがキャリコだよ。みっちゃんが(すく)ったんだって?凄いなあ」 「えへへっ。ちっちゃい子よりゆっくりだったからすくえたの」 ぱぱは金魚の種類も詳しい・・・っと。 縁側にぱぱと並んで座ってたら、桜鬼たちが前に並んで座ってた。 あ、桜鬼がぱぱの膝にあご乗せて、撫でてもらってる。 「ぼくも!」 「おう、おいで」 ぱぱの膝の上に座らせてもらって、頭撫でてもらう。 嬉しい・・・ぼくもしっぽあったら、桜鬼みたいにふりふりしちゃうなぁ。

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