271 / 300
⭐︎番外編⭐︎ぱぱ観察日記
【美月 side】
「観察日記?」
「うん。ぱぱの観察してもいい?」
「いいとも」
今日はぱぱのお家 に遊びに来た。
だからぱぱの観察日記を書くんだ!
着物着てるぱぱ、かっこいい・・・っと。
「どこ行くのぉ?」
「書斎だよ」
日記帳とペンを持って、ぱぱの後ろを付いてく。
ぱぱは時々振り返って、にこにこ。
ぱぱの書斎は本がいっぱい。
全部難しいのばっかりだ・・・。
「本読むの?」
「そうだなあ、みっちゃんいるし、今日は読むのやめようかな。あ、この本、みっちゃんにあげようと思ってたんだった」
「いいの?ありがと、ぱぱ!」
綺麗な表紙の少し大きな本・・・ドラゴンの表紙だ!
やったぁ!
ぱぱが書斎を出て、ぼくも付いてく。
ぱぱがくれた本は、新名 さんがお部屋に持って行ってくれた。
「あ、みんな集まって来たぁ」
お庭の前にぱぱが来ると、桜鬼 たちが集まって来る。
麗彪 さんが、ぱぱがボスだからって言ってた。
ボスって言葉調べたら、組織の長やリーダー格の人物、だって。
お家で1番偉いのぱぱだもんね。
「ぱぱは、1番偉いみんなのボス・・・っと」
「はは、ボスかあ。・・・ん?榊家 で1番偉いのはみっちゃんだぞ?みっちゃんがぱぱのボスだからな」
「えっ?」
ぼく、ボスなの?
なんで・・・?
「じゃあ庭に下りてみようか。桜鬼たちがどっちに付いてくか見れば、わかるよ」
「そおなの?」
ぱぱといっしょにお庭に出て、ぱぱからちょっと離れてみた。
そしたら、桜鬼たちがぼくの方に付いてくる。
え、なんで?
「ほおら、みっちゃんがボスだ」
「ぼ、ぼく、ボスなの?知らなかった!」
ぼく、神様でボスなの?
なんか、どんどんすごくなってくけど、ぼくそんなすごくないよ?
「鯉に餌やるかい?」
「うんっ!」
藤堂 さんがコイのご飯持ってきてくれて、ぱぱといっしょにあげる。
いっぱいあげると、ばちゃばちゃばちゃって大変な事になっちゃうから、ちょっとずつ。
「金色と、銀色のもいるね」
「光無地の山吹とプラチナだな。鱗に黒が入ってるのが金松葉と銀松葉だ」
「それ、この子たちの名前?」
「種類だよ」
やまぶきとプラチナ、きんまつばとぎんまつば・・・ぱぱはコイの種類に詳しい・・・っと。
「みっちゃんも金魚飼ってるんだったな」
「うん!動画撮ったのあるよ、見る?」
「おう、見るみる」
ぱぱと並んで縁側に座って、スマホの画面をいっしょに見る。
お祭りですくった金魚、みんなちょっと大きくなったんだよ。
水槽も、片桐 さんが少し大きいのに変えてくれたんだ。
「綺麗な琉金だな。全部赤いのが素赤、紅白のが更紗、黒が混じってるのがキャリコだよ。みっちゃんが掬 ったんだって?凄いなあ」
「えへへっ。ちっちゃい子よりゆっくりだったからすくえたの」
ぱぱは金魚の種類も詳しい・・・っと。
縁側にぱぱと並んで座ってたら、桜鬼たちが前に並んで座ってた。
あ、桜鬼がぱぱの膝にあご乗せて、撫でてもらってる。
「ぼくも!」
「おう、おいで」
ぱぱの膝の上に座らせてもらって、頭撫でてもらう。
嬉しい・・・ぼくもしっぽあったら、桜鬼みたいにふりふりしちゃうなぁ。
ともだちにシェアしよう!

