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パンダリオン
【美月 side】
「なぁなぁ、ぱんだりおんて、なんなん?」
合宿ごっこして、リビングでみんなで寝て、起きてダイニングで朝ご飯食べてたら綾 ちゃんに聞かれた。
綾ちゃん、パンダリオン知らないの?
「えっとね、地球を侵略しよおとやって来た宇宙生命体ゼノスが、地球で愛されてる動物の細胞を取り込んで擬態して、地球人を惑わして征服しよおとしてるんだけど、パンダの細胞を取り込んで擬態してるのがパンダリオンなの。パンダリオンはゼノスだけど、かっこよくて優しいの!」
「・・・そぉなんやぁ」
「安心しろ、最近美月がハマってる『不屈のEDF』ってアニメの話だ。ウチの金魚たちはゼノスじゃない」
「そぉか・・・それ聞いてほっとしたわぁ・・・」
麗彪さんに言われて、綾ちゃんがお味噌汁を飲んだ。
綾ちゃん、ゼノスいるかもって思ってびっくりしちゃった?
そっか、先にアニメだから現実のお話じゃないよって、言ってあげれば良かった・・・。
「あれ、でも、せやったらパンダリオンはゼノス?なんやな。地球人の敵やん。せやのに主人公なん?」
「違うよ?パンダリオンはゼノスだから主人公じゃないの。主人公はゼノスから地球を守るEDFのメンバー」
「いーでぃーえふ?」
「Earthling Defense Force、地球人防衛軍だよ」
「美月ちゃん、英語上手やん」
英語、褒められた。
英語は麗彪さんが教えてくれたから、上手って言ってもらえて嬉しい。
「パンダリオンはね、ゼノスだけど、悪くないんだよ。優しくてかっこいいの。ゼノスとEDFの戦いに巻き込まれそおになった人を助けてあげたり、ケガしたEDFを逃してあげたりするの」
「複雑なヴィランやなぁ」
ぼくは、新名 さんが買ってきてくれたガイドブックを持ってきて、パンダリオンを綾ちゃんに見せてあげた。
ね、かっこいいでしょ?
「スタイリッシュなパンダやなぁ」
「可愛いパンダの姿にもなれるよ!戦う時はかっこいいの!」
「美月、座って食べなさい」
時任 さんに言われて、イスに座る。
綾ちゃんにパンダリオンの事知って欲しくて、朝ご飯の途中なのに騒いじゃった・・・。
「そぉなんやぁ。美月ちゃんは、EDFよりパンダリオンのが好きなん?」
「うんっ!」
パンダリオンはゼノスだからって、悪者ってなっちゃってるけど、ぼくはパンダリオンが悪者だなんて思わない。
ゼノスってだけで攻撃するEDFより、パンダリオンの方がずっとイイヒトだと思う。
「そぉかぁ・・・美月ちゃんは、悪もんの仲間でも好きになってくれるんやなぁ」
「うん。パンダリオンはゼノスだけど、ゼノスってだけで、悪いヒトじゃないもん。EDFも、パンダリオンがどんなヒトかちゃんと見てくれればいいのに・・・」
まだアニメは途中だから、最後がどおなるかわからない。
パンダリオンがEDFに倒されちゃうの、嫌だな。
「もしEDFがパンダリオンやっつけちゃったら・・・そんなの見たくないな・・・」
「大丈夫だ美月、そんなエンディングにはさせない」
「せやで!寧 ろパンダリオンが主人公んなるよぉにしたる!」
「原作者とアニメ制作会社を調べときますね〜」
「原作も確かまだ完結してなかったはずよ」
麗彪さんと綾ちゃんがパンダリオンを助けてくれるの?
駿河 さんがノートパソコンで何か調べて、カンナさんもスマホで調べてる。
あの、でも今は・・・。
「朝飯食ってからにしろ!」
ほら、時任さんに怒られちゃった・・・。
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