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公式ルールでは禁止
【美月 side】
綾 ちゃんが言ってた、りこんって言葉を調べた。
離婚・・・婚姻関係を解消する事・・・って、書いてあった。
それって、結婚したのをなかった事にするって事だよね?
どおして、そんな事言ったんだろ。
ぼく、麗彪さんのお嫁さんになりたくて、婚姻届も書いて、本当にお嫁さんにしてもらえて、嬉しかったのに。
綾ちゃんの事も好き。
駿河 さんも、時任 さんも、片桐 さんも、新名 さんも、カンナさんも、ぱぱも好き。
だけど、麗彪さんが1番好きで、愛してて、特別なの。
だから、麗彪さんと離婚はしたくないし、綾ちゃんと結婚も出来ない。
それ言ったら、綾ちゃんは・・・。
「美月、どうした?」
「・・・んーん、なんでもない。ウノ」
みんなでウノしてるのに、考え事しちゃった。
でも、あと1枚であがり。
最後の1枚は緑の3。
ぼくの前にカードを出す麗彪さんがなんのカードを出すかによって、ぼくが1番にあがれるかどうか決まる・・・んだけど・・・。
「スキップ」
「あ、ちょっとぉ!」
ぼくの次の片桐さんが黄色のスキップを出して、カンナさんが飛ばされた。
「くらえドロツぅ〜」
「ドロ2 持ってんのはお前だけじゃない」
駿河さんが黄色のドロ2を出して、次の時任さんも赤のドロ2を出す。
新名さんがドロ2持ってなかったら、カードを4枚取らないと・・・。
「運良く俺も持ってました」
新名さん、ドロ2持ってた。
緑のドロ2だ。
やった!
これで麗彪さんがカードを6枚取って、ぼくの番になって・・・。
「ごめんな、美月・・・」
「・・・え?麗彪さん、まさか・・・っ!?」
「これ出したら、美月はあがるどころか誰よりも手持ちのカードが多くなる。そんな酷 ぇ事したくないんだが・・・・・・赦 せ美月!」
麗彪さんが苦しそうに、青のドロ2を出した。
・・・酷い・・・でも、これはゲームだし・・・まだ負けたと決まった訳じゃないし・・・!
「・・・いいもん、カードいっぱいで、なんでも出せるもん」
「さすがお嬢、前向きで素晴らしいです!」
ぼくがカードを8枚取ってたら、新名さんが褒めてくれた。
ありがと、新名さん。
ぼく、麗彪さんにだけは負けないよおに頑張るから!
「あの・・・ドロ2のスタッキングは、公式ルールでは禁止されていませんでしたか?」
片桐さんが言った。
「スタッキングって?」
「ドロ2にドロ2を重ねる事ですよ〜」
え、じゃあ、ぼく、8枚取らなくていいって事?
「榊家 ルールだからスタッキングありだ」
「成程」
「ふぇ・・・」
結局ぼくは、カードいっぱいで1番にあがれなかったけど、麗彪さんには勝てたから良かったですっ!
次は麗彪さんがぼくの次になるよおに、座る場所変えてもらお。
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