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夫婦は似てくる

麗彪(よしとら)side】 運動会の後、仕事で少し忙しくなったが、やっと休みが取れた。 美月(みつき)と2人きりが良かったが、時任(ときとう)片桐(かたぎり)も休みで家にいる。 「んーぅー・・・っ」 「美月?どうした・・・」 7時半。 もぞもぞと起き出したかと思ったら、俺の胸元にぐりぐりと顔を押し付ける美月。 具合でも悪いのか? 「まぁ・・・だぁ・・・ねむいぃ・・・」 「そっか。まだ寝てていいぞ?」 昨夜(ゆうべ)、俺の帰りが遅かったのに起きて待っててくれて、その上ベッドでちょ・・・っと執拗(しつこ)くシ過ぎたかもしれん。 何時に寝かせてやったんだっけ・・・。 「やぁだぁ・・・よしとぁさ・・・おやすみだも・・・」 「ああ。だからずっと寝てても・・・」 「んん"ーっ!やぁっ!」 「・・・そっか」 眠いけど、俺が休みだから起きて遊びたい、と。 寝起きにぐずるとか、可愛過ぎんだろ。 「じゃあ、起きるか?」 「んんぅー・・・やぁ・・・」 「寝る?」 「やあぁ・・・っ!」 はは、どっちなんだ。 取り敢えず、俺はトイレ行きてぇんだけど・・・。 「ちょっと待ってろ」 そう言ってベッドから出ようとしたが、美月が後ろから両手両脚でしがみ付いてきた。 まじか・・・。 「あの、トイレ行きたいんですけど?」 「んん"ぅ・・・」 「すぐ戻るんで」 「ん"ー・・・」 ええ・・・これ、脱出不可能じゃねぇか。 「美月さぁん」 「んんぅ・・・?」 「すぐ戻るってぇ」 「・・・い"やっ」 「嫌かぁ・・・」 まったく、なんでそんなに可愛いんだ。 体勢を変えぎゅっと抱きしめてから、額や頬にキスして撫でまわす。 (かたく)なだった表情が(やわ)らぎ、美月の身体の力が抜けていく。 ・・・よし、今だ。 「だあめえっ!」 「ははっ、だあめかぁ」 再び捕まった。 ・・・ちょ、待ってくれ。 しがみ付く美月の両脚が俺の腹を締めてるんだが? 「頼む、ほんとすぐ戻るから行かせてくれ」 「・・・ぼくがイかせてって言っても、すぐイかせてくれないくせにぃ」 「それとこれとは話が別だろ」 意外と根に持つ子め。 それに、俺はちゃんと美月の限界を見極めて、完璧なタイミングでイかせてやってるぞ。 「美月の格好いい麗彪さんが、漏らしてもいいのか?」 「・・・いいょ」 「だめだろ」 そこは絶対だめだろ。 美月が漏らすのはいい。 (むし)ろ美月専門の変態としては漏らしてんの見たいまである。 だが俺はだめだろ。 「なぁ、それわざと腹押してんの?意地悪だな」 「・・・おトイレ、いっしょに行ってあげる」 「・・・・・・それ、ドアの前で待っててくれるやつ?」 「・・・・・・・・・見ててあげる」 「勘弁しろ」 結局、トイレの前まで美月をくっ付けたまま行き、通りかかった片桐に預かってもらった。 抱っこを嫌がる猫よろしく暴れる美月に、さすがの片桐も手子摺(てこず)っていたが。 夫婦は似てくるって言うが、まさか俺の美月に対する変態性が、俺に対する変態性として現れるとは思わなかったな・・・。

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