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⭐︎番外編⭐︎籠ラジ 4

藤堂(とうどう) 「こんばんは、『籠の鳥の幸不幸は飼い主次第ラジオ』のお時間です」 (やなぎ) 「パーソナリティは藤堂と柳でお送りします」 藤堂 「まさか俺たちがラジオパーソナリティ務める事になるとはな・・・」 柳 「本編ではあまり出番がなかったのにな」 藤堂 「需要・・・あるのか・・・?」 柳 「ないだろうね」 藤堂 「ねえのか・・・」 柳 「一丁前に落ち込むなよ」 藤堂 「落ち込む事も許されないのか・・・」 柳 「さて、何を話す?」 藤堂 「そりゃあ、若とお嬢の話だろ」 柳 「過去回で若の話してる人、いなかったよ」 藤堂 「若・・・」 柳 「何であんなんなっちゃったんだろうな」 藤堂 「おい、その言い方だと若がダメみたいじゃねえか」 柳 「お嬢専門の変態である事を自他共に認めている若だぞ?」 藤堂 「(お前)だってドの付くM方向で変態だろうが。誕生日やクリスマスの(たび)如何(いかが)わしいプレゼント用意しやがって・・・口輪だとか拘束具だとか・・・お嬢がよく遊ぶのに使ってる虎柄ファーの手錠、あれもお前か?」 柳 「いや?あの時は乗馬鞭をプレゼントしたんだ。あの手錠、誰が贈った物なんだろうな」 藤堂 「まさか・・・若か?アレでお嬢に逮捕されると嬉しそうにしてるし・・・ああ、若・・・俺たち育て方を間違えたのか・・・」 柳 「育ててたのは(おも)雅彪(まさとら)さんと片桐さんだぞ」 藤堂 「・・・間違いなんてある訳ねえよな」 柳 「変態(そこ)以外は凄い人なんだよ。変態(そこ)以外は」 藤堂 「そうだな。勉強はやらなくてもある程度出来たし、運動神経も抜群、顔も声もいい・・・」 柳 「惚れるなよ?お嬢の若だぞ」 藤堂 「おい滅多な事を言うんじゃねえ」 柳 「・・・あれ、籠ラジって毎回ゲスト来てたよな?今回は来ないのか?」 藤堂 「そういや来てねえ・・・」 桜鬼(おうき) 「うぉん!」 藤堂・柳 「・・・え?」 藤堂 「ゲストが犬って・・・浩太(こうた)の方がマシなんじゃ・・・」 柳 「いや・・・桜鬼は俺たちより出番多かった上にお嬢のお気に入りだぞ」 藤堂 「・・・確かに」 柳 「と言う事で、今回のゲストは桜鬼先輩です」 桜鬼 「うぉん!」 藤堂 「俺たちは犬以下なのか・・・」 柳 「首輪をして、お前は犬以下だと(ののし)られながら、お嬢に引っ張られて散歩するのもいい・・・」 藤堂 「おい黙れ」 桜鬼 「がるる・・・」 柳 「失礼いたしました。ところで、我々は何時(いつ)までお嬢をお嬢と呼んでいるんでしょうね」 藤堂 「は?お嬢はお嬢だろ」 桜鬼 「わふっ」 柳 「若と結婚したんだし、本来であれば「(あね)さん」と呼ぶべきでは?」 藤堂 「それは・・・そりゃ立場的には姐さんだが・・・お嬢はお嬢だろ」 桜鬼 「わう」 柳 「お嬢だって成人して、ご自身でも大人になったと主張してる。何時までも子ども扱いするのは失礼だ」 藤堂 「そ・・・そうだな・・・だがまだ、お嬢はお嬢だ。姐さんってイメージじゃねえ」 桜鬼 「きゅうん・・・」 柳 「ならせめて美月(みつき)さんと呼ぶのは?」 藤堂 「それなら・・・まあ・・・だがまだだ。もう(しばら)くはお嬢をお嬢と呼びたい」 桜鬼 「うぉん」 柳 「具体的にいつから、お嬢を美月さんと呼ぶ?」 藤堂 「いつからって・・・お嬢が30・・・いや、40歳になったら、さすがに姐さんか美月さん呼びにするかな」 柳 「既婚の30代をお嬢呼び・・・まあ、お嬢だから違和感ないだろうけど。因みに俺は出産したら美月さんと呼ぶと決めてる」 桜鬼 「わう?」 藤堂 「はあ?お嬢はああ見えて男の子だぞ?20歳(はたち)になった時に雅彪さんから説明があっただろ」 柳 「何言ってるんだ、お嬢だぞ?ある日急な体調不良、かと思ったら妊娠が発覚、とか有り得そうだろ」 藤堂 「まさか・・・だが・・・そうか、お嬢だしな・・・だとしたらどの産婦人科に・・・いや、他所(よそ)には任せられねえな・・・環流(めぐる)さんに付いてもらって自宅出産・・・よし、(はな)れを建てよう!」 桜鬼 「うぉんうぉんっ!」 柳 「落ち着け。安心しろ、今現在の医療技術ではお嬢に妊娠出産させる事は出来ない」 藤堂 「お前が言い出したんだろ!妊娠出産しないってわかっててその条件って事は、お前こそお嬢の事を一生お嬢と呼ぶ気だろ」 柳 「気持ち的にはそうしたいけど・・・お嬢が嫌がった時点で美月さんと呼ぶ事にする」 藤堂 「・・・そうか。俺もそうする。今の所、嫌がってねえよな?」 桜鬼 「くぅん・・・」 柳 「お嬢と呼びかけていつも通り「なあに?」と返事してくださる間は大丈夫だろ」 藤堂 「だな。・・・あれ、結局お嬢の話になっちまったな」 柳 「若については今更語る事もないしな」 藤堂 「いいのか、それで・・・」 桜鬼 「わふっ」 藤堂 「・・・・・・なあ、さっきから桜鬼が会話にしっかり参加してないか?」 柳 「してるな」 藤堂 「賢いにも程があんだろ。あれか?お嬢がよく話しかけてるから人語を解したのか?」 柳 「まさか・・・いや、お嬢(神様)だし、その可能性も・・・」 藤堂 「お嬢・・・本当に凄い人だな・・・」 桜鬼 「うぉんっ!」 美月 「あっ、おーき!こんなとこいたの?だめだよ、藤堂さんと柳さんのじゃましちゃ」 桜鬼 「くぅんくぅん」 藤堂・柳 「お嬢!?」 美月 「2人とも、なにしてたの?ごめんなさい、じゃましちゃって・・・」 藤堂 「ラジオのパーソナリティを・・・」 柳 「ちょっとお喋りしてただけですよ。お嬢が邪魔になる事なんて絶っ対にありませんから、安心してください。良かったら、いっしょにお喋りしていきませんか?」 美月 「ぼく、いていいの?」 藤堂 「勿論です」 美月 「ねえ、これなあに?」 柳 「マイクです」 美月 「この丸いのは?」 藤堂 「ええと・・・ポップガード?」 美月 「ふうん・・・ぽっぷ・・・ポップコーン食べたい・・・」 桜鬼 「きゅうんっ」 柳 「すぐ作ります!」 藤堂 「塩味ですか?チョコとかキャラメル味にします?」 美月 「いちごミルク!」 藤堂・柳 「お任せください」 桜鬼 「あうあう(次回も)きゅうん(お楽しみに)!」

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