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パーティーと独占欲
【麗彪 side】
パーティーに出る事になった。
表の仕事関係だから危険ではないが、美月 は駿河 と留守番させておく事にした。
何故なら。
「美月を誰にも触らせたくない見せたくない」
「独占欲がどんどん酷くなってますね」
駿河はパートナーとして美月を同席させたらどうか、と言う。
俺だって可愛い美月に傍にいて欲しい。
美味 い物も出るだろうし、華やかな場所も見せてやりたい、とも思う。
思う、が。
「変な野郎が美月に気安く話しかけてみろ、俺はそいつをその場で殴るぞ」
「仕方ないですね、美月くんには俺とお留守番してもらいましょう」
2人分の晩飯を作り置きする時任 を健気に手伝う美月に、留守番を頼まなきゃならない。
毎回この時が辛くてたまらない・・・。
「美月、仕事で時任と出掛けてくる。帰りが遅くなるから、駿河と飯食って先に寝てていいからな。でも駿河と風呂には入るな、明日俺と入ろう、な?」
「・・・ゎかった・・・」
しゅん、と俯く美月。
少し高い位置で縛ったツインテールが、兎の耳のように前へ垂れる。
「ごめんな、お土産持って帰るから。とらきちがいれば寝られるよな?」
「・・・ん、ねれる、けど・・・およう服、かしてくださぃ・・・」
「わかった」
着ていた部屋着のパーカーを脱ぎ、そのまま美月に着せる。
袖が長くて手が出ない・・・可愛い。
裾も長くてミニワンピ状態だ。
・・・これで下穿いてなかったらエロ過ぎるな。
「麗彪さんのにおい」
少し照れたように笑いながらの上目使いは反則だぞ美月。
俺の自制心を何処まで強化させる気だ。
我慢できず美月を抱き上げ、そのまま寝室へ向かう。
・・・別に疚 しい事をする訳じゃない、俺が着替えるだけだ。
「麗彪さん、そのおよう服、かっこいい・・・!」
「美月が気に入ったなら良かった」
他人に褒められて素直に喜ぶ事は殆どない俺だが、美月に格好いいと言われると柄にもなく嬉しい。
相当、美月に惚れてるな・・・。
「じゃあ、行ってくる」
「・・・ぃってらっしゃい」
「美月、愛してる」
「・・・んっ」
柔らかい美月の唇にキスして、振り返らずにエレベーターの扉を閉めた。
これ以上美月を見ていると仕事を放棄してでも傍にいたくなる。
ああ、頼むから今夜は誰も俺を誘うなよ。
愛想笑いすら出来る気がしねえからな。
日付が変わるまでには帰宅させてくれ、と時任に頼み、会場へと向かった。
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