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雪とえんとつ

美月(みつき)side】 今日はお買いものに行く。 新しい本と、勉強ようのノートと、およう服、買ってもらうの。 麗彪(よしとら)さんに、きがえるのてつだってもらって、麗彪さんがきがえてる間に、ぼくは時任(ときとう)さんにかみをむすんでもらいに行った。 時任さんをよぼうとしたけど、リビングにある大きいまどを見て、びっくりした。 「きゃーぁー!」 「っ!?美月!」 麗彪さんが走ってきた。 駿河(するが)さんと時任さんも走ってきた。 麗彪さん、まだ、きがえとちゅうなのに。 「そと、そと見て!」 きがえとちゅうの麗彪さんもたいへんだけど、まどのそともたいへんなんです! 白いわたみたいなのが、いっぱいおちてきてるんですっ! 「ああ、雪降ってきましたね~。美月くん、このマフラーと手袋もしてくださいね~」 駿河さんが、白くてふわふわなマフラーとてぶくろをくれながら言った。 どっちも、もこもこのウサギさんがついてる。 「・・・ゆき?」 ゆき・・・って、雪だるまの、雪? 冬にふる、雨じゃない、雪? ・・・雪って、ほんとに、ふるんだ。 「ぼく、雪、はじめて・・・」 「積もったら屋上で遊ぶか」 「あそぶー!」 今日は、お買いものと、新しい本と、おくじょうで雪であそぶ! 楽しみ! ・・・ぇっと、おくじょう、じしょでしらべなきゃ。 ・・・屋上、屋根の上・・・屋根の上? 「屋根の上だから、えんとつある?」 「煙突・・・は、ないな。サンタが来れるか心配か?」 「さんた・・・?」 えんとつから入ってくるのは、オオカミさんじゃないの? さんたって、なあに? じしょ・・・。 「・・・サンタ、サンタクロースの略・・・りゃくって?」 「短い呼び方ってことだな」 「じゃあ、サンタクロースって?」 「クリスマスの夜にプレゼントをくれる爺さんだ。知らなかったんだな、絵本があるだろうから、今日買って来ような」 「うんっ!」 それから、麗彪さんはきがえのつづきをして、ぼくは時任さんにかみをむすんでもらった。 駿河さんが買ってくれた、しゅしゅ、つけてもらった。 しゅしゅも、ウサギさんがついてる。 そとは、すっごくさむかったけど、楽しかった。 サンタクロースの本をさがして、駿河さんとおよう服えらんで、時任さんとおんなじフォンダンショコラ食べて・・・。 麗彪さんと屋上に行って、屋上がまっ白くて、歩くと足あとがいっぱいついて、雪だるまつくった。 ご飯ですよってよびに来た駿河さんに、ぎゅってにぎった雪を麗彪さんがなげて、駿河さんは 丸めた雪を麗彪さんに3こもなげてた。 ・・・ちょっと、おこってたのかな? 麗彪さん、またいっぱい雪あつめて丸めてるけど、それ駿河さんになげたら、ずっとおわらないよ? ごめんなさいって言ったほうが、いいと思うけどな・・・。

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